木村司
2016年2月3日16時47分
中高生にも戦争について学んでもらおうと、朝日新聞が発行する教育特集「知る沖縄戦」。三重県伊勢市の県立宇治山田商業高校の2年生が、掲載されている戦争体験者の証言を朗読し、オリジナルVTRを制作した。今月の沖縄への修学旅行に向けて事前学習でも活用した。
《生き残ったわたしたちは死のうと決めました》
薄暗いガマの映像に女子生徒の声が重なり響く。
《勝てる見込みもない。米軍に捕まってはいけない、そういう教育を受けて思い込まされていたとしか言いようがありません》
沖縄の地上戦にかり出された学徒隊「鉄血勤皇隊」だった男性の約1100字分の証言。本村理紗さん(17)が3分20秒かけて朗読し、収録した。
「『命が鳥の羽より軽かった』という言葉が印象に残った。手に持ってもほとんど重さを感じない羽。それよりも軽い命を思った」と本村さんは話す。銀行などの事務職を目指すテニス部員の本村さん。朗読の収録には、30回ほど練習して臨んだという。
「何度も読んでいると、砲弾の中を逃げ惑ったりする当時の状況が映像に浮かんだり。内容が迫ってきてつらくなりました」
本村さんら宇治山田商業の情報処理科、2年4組の生徒十数人が映像化に取り組んだ。きっかけは昨年9、10月にあった文化祭。クラスの発表作品を決める際、「食べ物」や「自然」など沖縄に関するテーマが設定され、みんなが敬遠しがちな「戦争」をクジで引き当ててしまったという。
そこで、動画編集が得意な世古真也さん(17)らが「みんなが参加できる作品を」と、戦争体験を朗読し映像化することを提案。本やインターネットなど様々な資料の中から、担任の福井正浩教諭が修学旅行の事前学習用に取り寄せていた「知る沖縄戦」を選んだ。
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