[PR]

 今年の干支(えと)は申(さる)。サルといえば、ごつごつとした岩山の動物園の展示を思い出すが、近年、そんなイメージを覆す展示場が登場し始めている。日本のサルは本来、開けた草原から雑木林で暮らす。その環境に近い形を再現し、本来の生活や動きを見てもらう狙いだ。

 熊本市動植物園(同市東区)で2013年秋に一般公開が始まったニホンザル展示場は、上から見ると木がこんもりと茂る。

 中のサルは、熊本県相良村で捕獲されたサルの子孫たち。展示場は、この相良村をイメージし、奥山エリアと里山エリアの二つに分けてサルの動きを見せる。

 奥山エリアには、タブなど3種類の木を植樹。サルが葉や木の皮を食べ尽くさないよう、幹にネットをまき、葉が茂る部分の下にはネットを張って葉を守る。この展示場に移った当初はぎこちなかったサルたちだが、次第に木から木へ飛び移ったり、虫を探して地面を掘ったりして、自然な動きを見せるようになったという。