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シリア和平協議 3週間中断 国連が発表2月4日 7時33分
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シリアの内戦の終結を目指す、アサド政権側と反政府勢力側による和平協議について、仲介役の国連は3日、双方の主張に隔たりが大きいとして協議を3週間中断すると発表し、今後、停戦の実現に向けた交渉に進めるかどうか一層不透明な情勢となっています。
スイスのジュネーブで先月29日から行われてきた、シリアの内戦の終結を目指す和平協議について、アサド政権側は、反政府勢力側の交渉団が一本化できていないために交渉に入れないと非難する一方で、反政府勢力側は、政権側による空爆の停止などの実現が実質的な交渉に入る条件だと主張し、こう着状態に陥っていました。
仲介役を務める国連のデミストラ特使は、3日夜、記者会見を開き「協議の利害関係者の間で解決されなければならない課題がたくさんある」と述べて、このままでは進展が期待できないとして、協議を今月25日まで3週間中断することを明らかにしました。
そのうえでアサド政権を支援するロシアや対立するサウジアラビアなど、双方を支援する関係国に対して妥協点を見いだすよう求めました。
ただ、協議の最中もシリア国内で双方の激しい戦闘が続くなか、思惑の隔たりを埋めるのは容易ではなく、今後、停戦の実現に向けた交渉に進めるかどうか、一層不透明な情勢となっています。
仲介役を務める国連のデミストラ特使は、3日夜、記者会見を開き「協議の利害関係者の間で解決されなければならない課題がたくさんある」と述べて、このままでは進展が期待できないとして、協議を今月25日まで3週間中断することを明らかにしました。
そのうえでアサド政権を支援するロシアや対立するサウジアラビアなど、双方を支援する関係国に対して妥協点を見いだすよう求めました。
ただ、協議の最中もシリア国内で双方の激しい戦闘が続くなか、思惑の隔たりを埋めるのは容易ではなく、今後、停戦の実現に向けた交渉に進めるかどうか、一層不透明な情勢となっています。
双方が相手を非難
和平協議の中断について、政権側の交渉団を率いるシリアのジャファリ国連大使は記者会見で「反政府側はサウジアラビアやトルコなどの指令を受け、協議から引き揚げることを決め、国連のデミストラ特使はそれを正当化した」と述べ、協議が続行できなかった責任は反政府勢力側にあると非難するとともに国連の決定を批判しました。
一方、反政府勢力の代表団を束ねる前の首相のヒジャーブ氏は記者会見で「政権側やロシアはずっとシリアの市民への空爆や攻撃を続けてきたが、それは政治的な解決を望む者の行為ではない。われわれは状況に変化が見られないかぎり、協議には戻らない」と述べて、空爆が続くかぎり交渉には応じられないとして、政権側を非難しました。
一方、反政府勢力の代表団を束ねる前の首相のヒジャーブ氏は記者会見で「政権側やロシアはずっとシリアの市民への空爆や攻撃を続けてきたが、それは政治的な解決を望む者の行為ではない。われわれは状況に変化が見られないかぎり、協議には戻らない」と述べて、空爆が続くかぎり交渉には応じられないとして、政権側を非難しました。
政権側の空爆が中断招いたとの指摘
内戦が続くシリアでは、北部のアレッポ県で、アサド政権側がロシア軍の空爆による支援を受けて大攻勢をかけていて、こうした動きが反政府勢力側の反発を招き、内戦の終結を目指して行われてきた和平協議の中断につながったとの指摘が出ています。
シリアの国営通信によりますと、北部アレッポ県では、数日前からアサド政権側がロシア軍の空爆による支援を受けて大攻勢をかけていて、3日、政権を支持する住民が多く住む2つの町で反政府勢力の包囲を突破しました。
2つの町は、政府軍と反政府勢力が激しい衝突を繰り返している主要都市アレッポと、反政府勢力を支援するトルコとの国境の中間に位置する要衝で、反政府勢力側にとっては大きな打撃になったと受け止められています。
シリアの内戦を巡っては、国連の仲介で行われてきた和平協議が3週間中断することになりましたが、反政府勢力側は実質的な交渉に入る条件として、政権側などによる空爆の停止を挙げていました。
反政府勢力の主要なグループは、「和平に向けて話し合おうとしているときに、大勢の市民を殺害している」として政権側を非難していて、こうした動きが、内戦の終結を目指して行われてきた和平協議の中断につながったとの指摘が出ています。
シリアの国営通信によりますと、北部アレッポ県では、数日前からアサド政権側がロシア軍の空爆による支援を受けて大攻勢をかけていて、3日、政権を支持する住民が多く住む2つの町で反政府勢力の包囲を突破しました。
2つの町は、政府軍と反政府勢力が激しい衝突を繰り返している主要都市アレッポと、反政府勢力を支援するトルコとの国境の中間に位置する要衝で、反政府勢力側にとっては大きな打撃になったと受け止められています。
シリアの内戦を巡っては、国連の仲介で行われてきた和平協議が3週間中断することになりましたが、反政府勢力側は実質的な交渉に入る条件として、政権側などによる空爆の停止を挙げていました。
反政府勢力の主要なグループは、「和平に向けて話し合おうとしているときに、大勢の市民を殺害している」として政権側を非難していて、こうした動きが、内戦の終結を目指して行われてきた和平協議の中断につながったとの指摘が出ています。
米「ロシアによる空爆が一因に」
アメリカ国務省のカービー報道官は3日の会見で、ロシアが反政府勢力を狙った空爆を続け、その結果、市民が犠牲になり、人道支援への妨害にもつながっている可能性があると指摘しました。
そのうえで「市民に対する空爆が和平協議に寄与するとはとても思えない」と述べて、ロシアの空爆が和平協議中断の一因になっているという見解を示すとともに、市民を巻き添えにする空爆をやめるよう求めました。
一方、シリアで過激派組織IS=イスラミックステートに対する軍事作戦を進める、アメリカ主導の有志連合のウォレン報道官は、ロシア軍はアサド政権軍への支援を明確にしており、空爆の第一の目標はISではなく政権軍が戦う反政府勢力で、全体の9割を占めているという見方を示しました。
そのうえで「市民に対する空爆が和平協議に寄与するとはとても思えない」と述べて、ロシアの空爆が和平協議中断の一因になっているという見解を示すとともに、市民を巻き添えにする空爆をやめるよう求めました。
一方、シリアで過激派組織IS=イスラミックステートに対する軍事作戦を進める、アメリカ主導の有志連合のウォレン報道官は、ロシア軍はアサド政権軍への支援を明確にしており、空爆の第一の目標はISではなく政権軍が戦う反政府勢力で、全体の9割を占めているという見方を示しました。