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日本、ミサイル迎撃態勢

 北朝鮮が「人工衛星」の打ち上げと称して事実上の長距離弾道ミサイル発射を国際機関に通告したことを受け、政府は3日、警戒態勢を強化した。中谷元(げん)防衛相は、自衛隊に破壊措置命令を新たに発令したことを公表。国土交通省も国内航空会社に注意を呼びかけた。

 安倍晋三首相は同日午前の衆院予算委員会で、北朝鮮が「人工衛星」の発射通告について「実際は弾道ミサイル発射を意味するものだ。明白な国連安保理決議違反で、我が国の安全保障上の重大な挑発行為だ」と非難した。

 首相は午前の質疑を終えた後、国家安全保障会議(NSC)の4閣僚会合を首相官邸で開催。米国や韓国などと連携し、国民の安全確保に万全を期すよう指示した。

 NSC終了後、中谷氏は国会内で記者団に「万が一、我が国の領域内に落下することに備えて破壊措置命令を発出した」と述べた。中谷氏は先月28日に発射の兆候を受けて破壊措置命令を出したが公表しておらず、今回の通告を受けて改めて発令した。打ち上げ予告日時に合わせ、命令の期限を25日までと設定した。

 これを受け、防衛省は地上配備型迎撃ミサイルのパトリオット(PAC3)を北朝鮮が通告した飛行経路の下付近に位置する沖縄県の宮古島と石垣島にも展開する方針だ。ミサイル発射の兆候を受け、同省は既にPAC3を市ケ谷駐屯地(東京)、朝霞駐屯地(同)、習志野演習場(千葉)の3カ所に配置。以前から配備している沖縄県の那覇基地と知念分屯基地と合わせ計7カ所で警戒態勢に入る。

 同省は海上配備型迎撃ミサイル(SM3)を搭載した海上自衛隊のイージス艦3隻も日本海と東シナ海に配置しており、PAC3と2段構えで迎撃態勢を整える。政府はミサイル発射時には、緊急情報ネットワーク「エムネット」と全国瞬時警報システム「Jアラート」を通じて全国の地方自治体などに発射情報を伝達する予定だ。

 これに関連し、海上保安庁は3日、ミサイルの一部が落下する恐れがある黄海、東シナ海、フィリピン・ルソン島沖の太平洋海域の三つの海域に警報を出した。国交省航空局も同日、国際民間航空機関(ICAO)からの連絡に基づき、国内を発着する航空会社に飛行経路の選定や最新情報に注意するよう呼びかけた。【村尾哲、内橋寿明】

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