「なぜ韓国人は日本に観光客を奪われても腹を立てないのか」

事業権制度の見直し、韓国免税店業界が要求

「なぜ韓国人は日本に観光客を奪われても腹を立てないのか」

 韓国の免税店産業の競争力強化に向けた政策セミナーが2日、ソウルの国会議員会館で野党議員主催により開かれ、免税・観光業界関係者は「5年ごとに事業権の再審査を受けなければならない現行の免税店特許制度を届け出制か登録制に転換し、欠格事由がない限り、安定的に免税店を経営できるようにすべきだ」と要求した。

 世界的な流通専門誌「ムーディーリポート」のダモット・デービッド社長は「韓国の5年期限付きの免税店法には大変失望している。免税店は5-7年経営しないと収益が出ないため、韓国は免税店の競争力を強化したければ、長期的に事業ができるようにすべきだ」と主張。その上で、「免税店を黄金の卵を産むガチョウに例えれば、卵はいつでも割れることがあり、ガチョウは日本や中国に飛んでいってしまう」と指摘した。

 中央大の金昇郁(キム・スンウク)教授(経済学)は「免税店は初期投資が大きく、為替変動、周辺国との政治問題などリスクが大きいことから大型化が不可欠だ。日本は韓国式の大型免税店をオープンするなど観光客に財布を開かせようと血眼になっているが、韓国は逆行している」と評した。

 韓国流通学会のアン・スンホ会長は「免税店で商品を購入する人の70%は外国人だ。独占・寡占の問題ならば、新規事業者が市場に参入できるようにすればよい」と述べた。

 免税店をめぐる論争が続けば、外国人観光客の誘致が打撃を受けかねないとの指摘もある。

 韓国観光協会中央会の崔魯錫(チェ・ノソク)副会長は「外国人観光客が韓国を訪れる最大の目的がショッピングである以上、免税店は重要な観光目的地だ。日本とのサッカーの試合に負けると腹を立てる韓国人がなぜ観光客を日本に奪われることには腹を立てないのか」と話した。

 一方、韓国免税店学会は「韓国の免税店業界は外国人観光客誘致に向け努力し、それなりの価格競争力も確保した」とし、合理的な制度を設けてもらいたいという趣旨で、1月29日に国会と政府に「免税産業発展のための提言文」を提出したことを明らかにした。

李美智(イ・ミジ)記者
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