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 京都府警は3日、患者になりすましてパスポートを不正に取得したとして、精神科医の清水光明容疑者(42)=京都市上京区=を旅券法違反容疑などで再逮捕し、発表した。この旅券を金融機関に示すなどして患者らの名義で約70の口座を開設していたといい、府警は口座が不正に使われた可能性もあるとみている。

 中京署によると、清水容疑者は2014年11月、自身の診療所に通う男性患者を装い、府旅券事務所に旅券の発給を申請。顔写真は自身で名義は患者になっているパスポートを不正に取得した疑いがある。容疑を認めているという。

 旅券申請時の本人確認では、この患者名義の住民基本台帳カードを提示。住基カードは患者の年金手帳などを使って京都市から発行を受けたとみられ、府警は住基カードを不正取得した疑いでも調べる。清水容疑者は、この偽造旅券で韓国やタイなどへの渡航を繰り返していたという。

 清水容疑者は昨年1月と11月、速度違反などで警察官に摘発された際、同じ患者の名前を交通違反切符に書いたとして、先月13日に有印私文書偽造・同行使容疑で逮捕された。京都地検が3日、同罪で起訴した。(橋本拓樹)