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去る5月17日から、オーストラリア・メルボルンで「グッドビアーウィーク」が開催された。日本を代表するクラフトビールブランド「COEDO」は、米国・サンディエゴの人気マイクロブルワリーである「Coronado」ともに仕込んだコラボレーションビール、「COEDONADO Japanese Whisky Barrel Aged Version」(2014年限定版)を先行リリースした。
→ (c)COEDO BREWERY
「今回は、埼玉県のイチローズモルトに使用されたモルトバレルに貯蔵し寝かせた自信作です」とは社長の朝霧重治氏の言葉。なお、同ビールは「このビールフェスティバルのロックスターだ!」と称されるほど絶賛を受け、好評を博している。
埼玉県川越市で、クラフトビールを造り続けるコエドブルワリー。前編では、協同商事という有機野菜を扱う商社が、どのような形でビール造りを始めたかについて、社長である朝霧氏に聞いてきた。今編では、いよいよ朝霧氏が指揮を執り、「新生COEDO」が再スタートし、現在に至る場面へ続ける。
■ところで、朝霧さんは、どのタイミングでビール造りに関わられたのでしょうか?
大学卒業後、1年半ほど三菱重工業という大きな会社でプラントを売る仕事をしていました。そして1998年に協同商事に入社しましたが、当初は企画開発という部署で、まぁある意味社内の「なんでも屋」をやっていました。実はビールをやれ、とは一度も言われたことがないんですよ(笑)。
→ コエドブルワリー内の作業風景
バブル崩壊後の2003年に、私は副社長に就任して企業全体の責任を負う立場になり、改めて直面して色々と考えることになりました。当時リストラもやってきていましたが、社内でもビールについては、これまでかなりの設備投資もやってきていたし、簡単にはあきらめきれないということになった。
私は昔からバックパッカーで世界を旅する中で、 ビールを通じて色々な楽しいさや面白さを味わってきた。でも協同商事がやっているビール事業は、マーケティングの観点で、どこかその良さを伝えられていないと思っていました。特産物に特化したアプローチというものに、ある意味疑問を持っていたんです。それで、ビール事業について「クラフトビールという視点から、もう一度真面目に取り組みたいと」社長に直談判して、任せてもらうことになりました。
さつまいもこそ原料に使っているビールを造っていたとしても、麦芽は海外からの輸入だし、これまでの「地域を全面に出したもの作り」という視点ではなく、例えばショコラティエやシェフと同じように「手作りの世界」つまりクラフトビールというものを追求することの方が、小規模生産の自分達にあった、真の姿なんじゃないか、と思ったわけです。食品として、地元の人からやグルメな人たちから認められるクオリティーのものを生み出して、ビールのことをしっかりと伝えていこうという方向に決めて進み始めました。
すでに「地ビール」という業界自体が、ブームが去ってだめになってしまっていたし、埼玉・川越という場所が東京から近すぎて、例えば百貨店の催事などでも川越発のビールを「地方の特産物」という観点で見てもらえないという状況も、目の当たりにしたんです。
そんな流れの中で、社内で「地ビール」という言葉をタブーにしました(笑)。代わりに、米国で「マイクロブルワリーが造るクラフトビール」という言葉に出会い、それ以来我々は「クラフトビール」を造っている、というように落ち着いたんです。
そして2005年に独立したばかりのデザイナーだった、エイトブランディングの西澤明洋さんに出会い、我々の造りたいビールに関してのデザイン面全てを一緒に作ってもらうことになりました。結局1年半ほどかかって、協同商事が生み出すビールのコンセプト、デザイン、商品名などを一新し、現在の「COEDO」が出来上がりました。
■新しいCOEDOは、どのような形で発表されたのでしょうか?
2006年、5種類のビールを同時発表しました。というのも「ビールを選ぶ楽しみ」ということも、COEDOプロジェクトを通じて伝えたいと思っていたんです。発表の場は、川越ではなく白金にある「ブルーポイント」という人気のレストランを選び、シェフと相談してフードペアリングも提案しました。これはある意味「地ビール」というものとしては、画期的な企画だったと思います。
→ グッドビアーウィークにて (c)COEDO BREWERY
その後、2007年に、食品など製品の技術的水準を審査機関が与える認証であり、世界的にも有名な「モンドセレクション」で、サツマイモを使った「紅赤 -Beniaka-」とクリアなプレミアムピルスナーの「瑠璃 -ruri-」が最高金賞を受賞しました。また「国際味覚審査機構(iTQi)」コンテストにも参加し、星を獲得しました。さらに、COEDOのパッケージデザインやウェブサイトも、様々な賞を受賞しました。
新しいCOEDOを証明する、ある意味プロモーションのテクニックとして、「欧米で評価された」という冠を得ることは、大切だと考えたのです。またリニューアル当初から、狭い国内ではなく、グローバルな展開を視野に入れました。そのため、コエドの「コ」のスペルにKOではなくCOを使用しました。
また国内のターゲットも、EBISUやプレミアムモルツなどと並ぶ、「プレミアム市場」と呼ばれるマーケットに狙いを定めました。当初は、あえて川越という地域色を出さず、味、デザイン、そしてもの作りの面で、勝負し「クラフトビールの楽しさ」について、COEDOを通じて伝えることを目指したのです。
→ グッドビアーウィークにて (c)COEDO BREWERY
2006年にCOEDOは生まれ変わり、以後毎年海外のビール関連のイベントには積極的に参加している同社。その流れで、米国のマイクロブルワリーをはじめ、世界のクラフトビール関係者と友好的な関係を築いている。世界から認められている様子は、今回メルボルンで発表したようなコラボレーションビールを発表することが証明しているといってもいい。
朝霧社長の目指す世界観は、ビールに限らない。中央集権志向の日本において、地方都市、地域を大切にし、そこから国内に限らず世界へ発信していくビジネスを求めている。近々、埼玉の森の中に新工場を建設し、もっとCOEDOの世界観を伝えられる場所を作り上げる予定だという。これからの展開が楽しみだ。
《COEDO》
紅赤 -Beniaka- 333mlボトル 381円、 350ml缶 381円
瑠璃 -Ruri- 333mlボトル 267円、350ml缶 267円
伽羅 -Kyara- 333mlボトル 267円、350ml缶 267円
漆黒 -Shikkoku- 333mlボトル 314円
白 -Shiro- 333mlボトル 352円
なお、先述の「COEDONADO Japanese Whisky Barrel Aged Version」は、7月7日(月)より、10L樽でCOEDONARO取り扱いの飲食店でのみ、数量限定提供開始。
《COEDONADO Japanese Whisky Barrel Aged Version》
原材料:麦芽、黒蜜、ホップ、きな粉
色合い:濃褐色(EBC(SRM)*5:120(60))
香り:珈琲・カラメル・薄荷・檸檬の香り
アルコール度数:9.5%
IBU*6: 70
→ 「地元のfromagerie「Millk The Cow」とコラボレーションで、COEDOとチーズをペアリングするイベントをやったり、トークセッションに出たりしました。」(c)COEDO BREWERY
→ 朝霧重治氏。コエドブルワリー前にて
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