20160203matsumoto

こちらのTwitterまとめは4コマまんがはなかなか興味深いものでした。4人で仕事をしていたOLが1人退職してしまい、3人になってしまいました。しかし2人は定時で帰り1人は残業をして仕事をこなそうとしました。翌日定時に帰った2人に「それじゃもう一人会社は雇ってくれないよ」と言われるという内容です。(仕事をすればするほど首が絞まっていく!?「残業をしてはいけない理由」を描いたマンガが真理を突きすぎていて辛い…

Twitterではかなりの人が「その通り」「無理する必要はない」という意見を述べていますが、本当にそうでしょうか。頑張って残業することがそんなに悪いことなのでしょうか。もし4人でこなしていた仕事を業務改善によって3人でこなせるようになり、かつ定時でこなせるようになれば、それは会社に取っても利益です。本人に取ってもスキルアップに繋がるでしょう。

頑張らないほうが得をする人


しかし気持ちも分からないではありません。これはOLを題材にしたものですから、OLの一般職では総合職に比べてスキルアップしても、それが給与や待遇に反映されることは少ないものです。加えて寿退社するものというイメージがまだまだありますので、長く働くことを想定していません。であれば、一般職であえて頑張る必要性はないというのは一つの真理です。

頑張らないという点では大企業で働く総合職の人たちも頑張る必要はないかもしれません。クビになる可能性は非常に低く、さらに待遇や給与も良いからです。万が一クビになったとしても再就職の斡旋、退職金の割増など、中小企業よりも多いとされています。頑張って働かなくても安定しているのですから、あえて頑張る必要はないかもしれません。

さらに大企業の経営者にも同じことが言えます。現状維持もしくはリスクの少ない事業を行って行けば、社長・役員の任期を無事終えることができ、多額の退職金を貰えるでしょう。あえてリスクのある事業に投資して失敗すれば、任期途中で解任されたり給与や退職金を減らされる可能性もあります。ですから、リスクを犯さないほうが懸命かもしれません。

先日、日銀がマイナス金利が決定しましたが、銀行が融資を増やす姿勢は見せていません。国債を購入したり、企業の預金に手数料を課すなど、低リスクな改革に向かっています。現状維持を目指すほうが合理的なので当然かも知れません。さらに株式の持ち合いがありますし、モノ言う株主も少ないですから外圧も少ないでしょう。

こう考えると大企業経営者や大企業で働く総合職は安定しているという点でリスクを取らないほうが合理的でしょう。togetterで紹介した一般職などは昇進や昇給の可能性が低く、頑張りが認められにくい雇用体系のため、頑張らないほうが合理的かもしれません。

頑張れば報われる、頑張って働けば明日は今日よりも良い日になるという高度経済成長期は多くの人が寝食を忘れて働いたかもしれません。しかし今は経済も鈍化し、成長どころかマイナス成長もちらほら見かけられるくらいです。そんな「明日は今日よりも良い日になるとは限らない」という現実では、頑張らないというのも合理的な選択かもしれません。

ベンチャー企業は頑張っている


ただ、その中でも2015年は100件近くIPOが行われていました。さらに私の周りでもIPOを目指すという人がちらほらいますし、さらに新しいビジネス・事業・プロジェクトを行おうと考えている人も少なくありません。私も今年は幾つか考えている事業がありますし、お手伝いをしている事業所も新しいビジネスを絶えず考えています。このような時代でも、ベンチャーや中小の元気な企業・フリーランスは確実に存在します。

しかしなぜこうも「がんばろう!」とする人と「頑張らなくていい」とする人が二極化しているのでしょうか。ベンチャーやフリーランスであれば頑張る理由は説明出来ます。それは自分が好きでやっているからです。かつ自分が好きなことや良いと思うことを多くの人に広めたいと思う内発的動機があるので、頑張れます。もちろん頑張って稼がないと食っていけないという状況も中小の場合はあるでしょう。

もしかすると「がんばろう」とやる気を出せる我々ベンチャーやフリーランスはある意味恵まれているのかもしれません。頑張れば報酬というリターンが増える可能性を持っています。しかもやりたいことを自由に選んで行うことが出来ます。自由に自分の好きなことを選べ、かつリスクをとれば大きなリターンが得られる可能性があるのですから。

頑張った人が報われる社会が良くない?


「一億総活躍社会」という言葉が安倍首相から生まれましたが、活躍しようにも活躍できない人たちも多くいるんじゃないかと思います。SMAPの解散騒動の件も「権力者に逆らえない」というイメージを持った人は多いですし、どうにも今の日本は頑張りづらい人が多い国なのかもしれません。4人分の仕事を3人で行うために工夫をして頑張る、それが認められる社会のほうが頑張らない社会よりも良いようなきがするのですが、みなさまはどう思われますか?

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