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シリア和平協議 反政府勢力が不在のまま開始1月30日 2時21分
シリアの内戦の終結を目指す和平協議は日本時間の午前1時半ごろからスイスのジュネーブで始まり、反政府勢力の主要なグループがスイス入りを見合わせているため、仲介役の国連は、主要な反政府勢力が不在のままアサド政権側との協議を先行して始めました。
シリアの内戦の終結を目指した和平協議は、現地時間の29日午後5時半ごろ、日本時間の30日午前1時半ごろからスイスのジュネーブにある国連ヨーロッパ本部で始まり、国連でシリア問題を担当するデミストラ特使が、アサド政権の代表であるジャファリ国連大使と会談を始めました。
和平協議は、アサド政権側と反政府勢力側の双方が話し合うことで調整が進められてきましたが、開催予定日の29日になっても、サウジアラビアが支持する反政府勢力の主要なグループは、アサド政権側が戦闘を停止し、反政府勢力の支配地域の包囲を解くことが参加の条件だとして、スイス入りを見合わせています。このため、仲介役の国連は、主要な反政府勢力が不在のまま、アサド政権側との協議を先行して始めました。
国連は、サウジアラビアにとどまっている反政府勢力の主要なグループの到着を待って、反政府勢力のさまざまなグループとも個別に協議を行うことにしていますが、主要なグループがいつスイスに入ってくるか見通しは立っていません。
和平協議は、アサド政権側と反政府勢力側の双方が話し合うことで調整が進められてきましたが、開催予定日の29日になっても、サウジアラビアが支持する反政府勢力の主要なグループは、アサド政権側が戦闘を停止し、反政府勢力の支配地域の包囲を解くことが参加の条件だとして、スイス入りを見合わせています。このため、仲介役の国連は、主要な反政府勢力が不在のまま、アサド政権側との協議を先行して始めました。
国連は、サウジアラビアにとどまっている反政府勢力の主要なグループの到着を待って、反政府勢力のさまざまなグループとも個別に協議を行うことにしていますが、主要なグループがいつスイスに入ってくるか見通しは立っていません。
反政府勢力 30日にジュネーブ入り
サウジアラビアが支持する反政府勢力の主要なグループのヒンド・カワバト氏とファラ・アタシ氏は29日、NHKなどのメディアに対し、「代表団が30日、ジュネーブに来て国連側と協議することを先ほど決定した」と明らかにしました。
この代表団は、アサド政権が反政府勢力の支配地域の包囲を解くことなどを参加の条件だとしてスイス入りを見合わせていました。協議に参加することを決めた理由について、2人は「国連側がわれわれの要求を実現すると約束した」と説明する一方、政府軍が市民に対して空爆を続けているとして攻撃をやめるよう繰り返し訴えました。2人は、31日にスイス入りする代表団の中に、ロシアなどが「テロ組織だ」として参加に反発しているグループが含まれているかどうかなど詳細については明らかにしませんでした。
この代表団は、アサド政権が反政府勢力の支配地域の包囲を解くことなどを参加の条件だとしてスイス入りを見合わせていました。協議に参加することを決めた理由について、2人は「国連側がわれわれの要求を実現すると約束した」と説明する一方、政府軍が市民に対して空爆を続けているとして攻撃をやめるよう繰り返し訴えました。2人は、31日にスイス入りする代表団の中に、ロシアなどが「テロ組織だ」として参加に反発しているグループが含まれているかどうかなど詳細については明らかにしませんでした。
反政府勢力 クルド人勢力参加なければ失敗
シリアの反政府勢力の一角を占めるクルド人勢力は、アメリカやロシアの支援を受けながら過激派組織IS=イスラミックステートとの戦いでも中心的な役割を担っていますが、今回の和平協議には招かれていません。
これについて、クルド人勢力の指導者サレフ・ムスリム氏がジュネーブでNHKのインタビューに応じ、クルド人の勢力拡大を警戒するトルコなどが参加を妨げていると非難したうえで、「現場で影響力を持つクルド人や他の勢力を排除したままでは、この交渉は失敗するだろう。すべての勢力が交渉のテーブルにつくべきだ」と主張しました。
また、ロシアが代表として選んだ反政府勢力のグループの指導者ハイサム・マンナ氏はNHKのインタビューの中で、協議に招かれたもののクルド人勢力の参加を認めないかぎり、みずからも参加しないと表明したうえで、「われわれなしでは何も成し遂げることができないはずだ。交渉がうまくいくように協力するためのドアは開いている」と述べ、クルド人勢力を参加させるよう関係国などと交渉を続けていることを明らかにしました。
これについて、クルド人勢力の指導者サレフ・ムスリム氏がジュネーブでNHKのインタビューに応じ、クルド人の勢力拡大を警戒するトルコなどが参加を妨げていると非難したうえで、「現場で影響力を持つクルド人や他の勢力を排除したままでは、この交渉は失敗するだろう。すべての勢力が交渉のテーブルにつくべきだ」と主張しました。
また、ロシアが代表として選んだ反政府勢力のグループの指導者ハイサム・マンナ氏はNHKのインタビューの中で、協議に招かれたもののクルド人勢力の参加を認めないかぎり、みずからも参加しないと表明したうえで、「われわれなしでは何も成し遂げることができないはずだ。交渉がうまくいくように協力するためのドアは開いている」と述べ、クルド人勢力を参加させるよう関係国などと交渉を続けていることを明らかにしました。
アサド政権に包囲網解くよう求めるデモ
シリアの和平協議が始まったジュネーブの国連ヨーロッパ本部の前にある広場では29日、反政府勢力系の人権団体がデモを行い、アサド政権に対して反政府勢力の支配地域の包囲を解くよう求めました。
デモには、スイスに住むシリア人を中心に100人ほどが参加し、「アサドはシリアから出ていけ」などと声を上げていました。また、デモの参加者たちは、アサド政権による包囲によって食糧が行き届かない反政府勢力の支配地域で、住民が飢えをしのぐために食べている雑草のスープを再現し、住民たちが危機的な人道状況に置かれていることを訴えていました。
シリアの首都ダマスカスの近郊からおととしスイスに難民として逃れ、デモに参加したという女性は「私たちが望むのは、シリア国民に対する弾圧をやめさせることと、子どもたちに食べものを届けることです」と話していました。
デモには、スイスに住むシリア人を中心に100人ほどが参加し、「アサドはシリアから出ていけ」などと声を上げていました。また、デモの参加者たちは、アサド政権による包囲によって食糧が行き届かない反政府勢力の支配地域で、住民が飢えをしのぐために食べている雑草のスープを再現し、住民たちが危機的な人道状況に置かれていることを訴えていました。
シリアの首都ダマスカスの近郊からおととしスイスに難民として逃れ、デモに参加したという女性は「私たちが望むのは、シリア国民に対する弾圧をやめさせることと、子どもたちに食べものを届けることです」と話していました。