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放射性物質含むガラスの微粒子が飛散か
2月3日 20時37分

東京電力福島第一原子力発電所の事故で、原子炉周辺のコンクリートが高熱で溶けて、放射性物質を含むガラスの微粒子となり飛散した可能性があることが、農業環境技術研究所などの研究グループの分析で分かりました。飛散した規模などは分かっていないということで、研究グループでは、まだ知られていない汚染のメカニズムを解き明かしたいとしています。
福島第一原発の事故では、ガス状の放射性セシウムなどと別に放射性の微粒子も飛散したことが知られていますが、その詳しい成分や由来は、よく分かっていませんでした。
これに対して農業環境技術研究所の山口紀子主任研究員と東京大学大学院の小暮敏博准教授らの研究グループは、福島県川内村で、山林の葉に付着していた直径数マイクロメートル以下の極めて小さな放射性の微粒子を採取し、詳しく分析しました。
その結果、微粒子の主な成分は、ガラスで、自然には存在しない放射性セシウムや亜鉛、鉄なども含まれていることが分かり、研究グループは、原子炉周辺のコンクリートの中のガラスの成分が高熱で溶け、放射性セシウムなどを取り込んだと見ています。
表面付近には、放射性セシウムが溶け出したような痕跡も見られたということですが、こうした微粒子が飛散した規模などはまだ分かっていません。農業環境技術研究所の山口紀子主任研究員は、「今後は、微粒子が飛散した量と範囲を調べていくことで、まだ知られていない汚染のメカニズムを解き明かすとともに、有効な除染方法の開発につなげたい」と話しています。

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