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            シリア和平協議 イスラム軍の参加巡り調整続く2月3日 20時48分
    
    シリアの内戦の終結を目指す和平協議で、アサド政権やロシアがテロ組織だと非難する「イスラム軍」の幹部が反政府勢力の一員として交渉に参加するのかどうかが争点となっており、国連を通じた調整が続けられています。
シリアの和平協議では仲介役を担う国連のデミストラ特使が、アサド政権と反政府勢力の主要なグループに個別に会って、双方による直接協議に向けた調整を進めています。反政府勢力側は、「イスラム軍」幹部のムハンマド・アルーシュ氏を政権側との交渉を担う首席交渉者に指名し、参加させる姿勢を示していますが、アサド政権側は「イスラム軍」をテロ組織だとして非難しており、反発しています。
これについて政権側は2日のデミストラ特使との会談で、「イスラム軍」が反政府勢力のメンバーとして参加するのかどうか回答を求め、デミストラ特使は3日にも、返答するとしています。
一方、これまでアサド政権同様、「イスラム軍」をテロ組織だとしてきたロシアのラブロフ外相は2日、「イスラム軍が交渉プロセスに参加するのであれば、個人の資格となる」と述べ、何らかの形で参加することを黙認する姿勢を示しました。ただ、「交渉のパートナーとして認めたわけではない」とも述べて直接交渉をしない立場も強調し、今後、ロシアの後ろ盾を受けているアサド政権が、この問題でどこまで柔軟な姿勢を見せるのかが、今後の協議の行方を左右する争点になっています。
    これについて政権側は2日のデミストラ特使との会談で、「イスラム軍」が反政府勢力のメンバーとして参加するのかどうか回答を求め、デミストラ特使は3日にも、返答するとしています。
一方、これまでアサド政権同様、「イスラム軍」をテロ組織だとしてきたロシアのラブロフ外相は2日、「イスラム軍が交渉プロセスに参加するのであれば、個人の資格となる」と述べ、何らかの形で参加することを黙認する姿勢を示しました。ただ、「交渉のパートナーとして認めたわけではない」とも述べて直接交渉をしない立場も強調し、今後、ロシアの後ろ盾を受けているアサド政権が、この問題でどこまで柔軟な姿勢を見せるのかが、今後の協議の行方を左右する争点になっています。
イスラム軍とは
「イスラム軍」は、シリアの首都ダマスカスの近郊を拠点とするイスラム教スンニ派の武装組織で、乱立する反政府勢力の中でも組織力があることで知られています。同じスンニ派の盟主、サウジアラビアから資金提供などの支援を受けて、数万人規模の戦闘員を抱え、アサド政権や過激派組織IS=イスラミックステートとの激しい戦闘を続けています。その一方で、国際テロ組織アルカイダ系の「ヌスラ戦線」とも連携したり、ISと同じようにイスラム国家の樹立を目指しているうえ、シーア派の住民をおりに入れて「人間の盾」にするなど、過激な面を持ち合わせていることから、アサド政権やそれを支援するロシアは、「テロ組織」として扱っています。
このため、今回の和平協議では、サウジアラビアが主導して作成した反政府勢力の出席者リストに、イスラム軍が含まれた際、アサド政権やロシアは激しく反発しました。しかし、有力な反政府勢力を交渉から外せば、内戦終結に向けた停戦の実効性にも影響が出るだけに、その扱いをどうするかが争点の1つとなっています。
このため、今回の和平協議では、サウジアラビアが主導して作成した反政府勢力の出席者リストに、イスラム軍が含まれた際、アサド政権やロシアは激しく反発しました。しかし、有力な反政府勢力を交渉から外せば、内戦終結に向けた停戦の実効性にも影響が出るだけに、その扱いをどうするかが争点の1つとなっています。
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