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宮古島沖に海底火山 複数火口や溶岩流の跡
2月3日 19時48分

宮古島沖に海底火山 複数火口や溶岩流の跡
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沖縄県の宮古島の沖合の海丘(かいきゅう)という海底が盛り上がった場所が、過去に噴火を繰り返していた海底火山であることが、海上保安庁の調査で明らかになりました。調査では、複数の火口や溶岩が流れ出した跡などが確認され、海上保安庁は、さらに詳しい分析を行うことにしています。
海底火山と確認されたのは、沖縄県の宮古島の北、およそ120キロ沖合の水深およそ2100メートルから800メートルの海底にある「第3宮古海丘」です。海丘は、高さが1300メートルほどの円すい形であること以外は、詳しい地形などは分かっておらず、海上保安庁は、去年7月と11月に、無人の潜水調査機器で海底の地形を詳しく調べました。
その結果、いちばん高い中央付近には、直径が250メートルほどの火口があり、周辺に過去に流れ出したとみられる溶岩の跡が確認されました。流れ出した範囲は、東西およそ2.4キロで、面積はおよそ1.46平方キロメートルと、東京ドームのおよそ31倍ほどの広さだということです。溶岩の厚さは、30メートルほどで、表面には複雑なしわのような跡も確認され、専門家によりますと、少なくとも4回にわたり、別の時期に流れ出た可能性があるということです。
また、ほかにも最大で直径2キロ程度の別の火口とみられる大きなくぼ地も見つかり、過去に、比較的規模の大きな噴火が繰り返し起きていた可能性があるということです。
一方、今回の調査では、火山活動が活発であることを示す熱水の噴出などは確認されなかったということです。
火山噴火予知連絡会の会長で、東京大学の藤井敏嗣名誉教授は、「溶岩の表面の様子などから、過去1万年以内に噴火が起きていた可能性もあり、調査が進んでいない南西諸島の海域での火山活動を知るための、基礎的な情報として期待される」としています。
海上保安庁では、今月中旬に溶岩や周辺の岩石を採取し、今後、いつごろ噴火したかなど、さらに詳しい分析を行うことにしています。

琉球海溝沿いに火山や海底火山

鹿児島県から沖縄県にかけての海域には、フィリピン海プレートが沈み込んでいる「琉球海溝」に沿うように、口永良部島や諏訪之瀬島など、複数の火山や海底火山などが確認されています。気象庁によりますと、沖縄県では現在、2つの活火山が確認されていて、このうち西表島の北北東にある海底火山では、92年前の大正13年に大規模なマグマ水蒸気噴火が発生し、噴火で出た大量の軽石が海流で流され、日本各地の沿岸に漂着しました。また、硫黄鳥島では、江戸時代以降、昭和43年にかけて小規模な噴火が繰り返し発生し、現在は無人島となっています。

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