「仕事を辞める時は何から始めればいいんだ」「辞める時、退職理由ってどんなのがいいんだろう」など仕事を辞める時って悩みますよね。
ここでは、過去2社の企業を退職してきた筆者が、自身の経験をもとに仕事を辞める時に知っておくべき全ての知識を以下の流れで紹介します。
- 仕事を辞める前にすべき2つのこと
- 円満退職に近づく切り出し方と退職理由3選
- 仕事を辞める時の3のステップ
- 仕事を辞める勇気が出る3つの教え
本ページを読んでいただくことで、辞める前にすべきことから、実際の退職の手続きまで仕事を辞める時に必要な全ての知識が身につき、正しい決断、正しい行動ができます。
反対に、準備をせずに辞めてしまうと、経済的に困窮したり、次の会社で今より辞めたくなる恐れがあります。
1. 仕事を辞める前にすべき2つのこと
仕事を辞めたいからといって、すぐにやめてはいけません。辞めなければ心身が病んでしまう場合を除き、必ず以下のことを実践した上で仕事をやめましょう。
1-1. なぜ辞めたいのか、本当に辞める必要があるかを分析する
まずはあなたがなぜ仕事を辞めたくなっているのかを分析しましょう。紙に悩みを書き出すとより整理できます。
参考までに、下図は転職サイトのリクナビNEXTが、退職者に退職理由の本音を調査したアンケート結果です。参考にしてみてください。
出典:リクナビNEXT
分析が重要な理由は以下の3点です。
退職したい理由を分析する3つの理由
- 会社選びの失敗を今後の人生で活かせるから
- 辞めなくても済む問題で悩んでいるかもしれないから
- 辞めたい理由を整理することでスッキリできる可能性があるから
ではそれぞれの側面から解説していきます。
理由①今後の人生に活かす
今の職場にも少なからず、夢や希望を持って入社したはずです。そんな会社でも、今あなたは辞めたいと考えています。
仮に、今の会社を辞めて次の会社に入社した時も、同じような悩みで辞めたくなってしまう恐れがあります。
それを防ぐために、今の会社のどんな所が嫌で、どんな環境であれば自分は頑張れるのかを考えましょう。
さらに、今の会社に入社した経緯を思い出し、その時の自分の判断に何か間違いがなかったかを分析することで、次のステップではより良い選択をしていただけます。
理由②辞めない方法を探す
あなたがなぜ辞めたいかを考えた結果、それが「部署」や「職務内容」起因の問題であった場合、会社を辞めずに異動をすることで解決出来る可能性があります。
もし、今の会社で解決出来るのであれば、筆者は今の会社に残ることをオススメします。
理由は以下の3点です。
筆者が会社に残ることを勧める3つの理由
- せっかく築いてきた社内での地位や人脈がもったいないから
- 本当に転職が必要な時に、転職回数は少ない方が選考に有利だから
- 長く働いた方が、昇進や退職金の面で有利だから
そこで部署を変えることで、解決出来るのであれば部署の異動を申し出ましょうう。
しかしその際、「辞めたい」というニュアンスの言葉は絶対に使ってはいけません。
異動交渉で「辞めたい」と言ってはいけない理由
- 希望の部署に行けても腫れもの扱いを受ける恐れがあるから
- 本当に転職が必要な時に切り出しにくくなるから
以上のことから理由は前向きなものにしましょう。例えば、以下のようなものです。
自分のキャリアを考えた時に10年後は◯◯な仕事をしていたいです。そのために、今のタイミングで◯◯の部署で経験を積みたいです。
それでも異動させてもらえないないようであれば、転職を考えることをオススメします。
理由③理由を分析することでスッキリする
辞めようと思ったことは一時的な衝動に過ぎず、一度冷静に整理をすることで「持っている悩みは辞めるに値しない問題だ」という結論を出せる可能性もあります。
また、上記のアンケート結果等他者の退職理由も考えながら辞めたい原因を考えると、実は「今の会社はまだマシな会社だ」と感じられるかもしれません。
また、退職理由を整理するために、ワークシートを用意しました。
ワークシートを活用していただくことで、あなたの悩みを整理して本当に転職が必要か、正しい判断ができます。
1-2. 辞める前に転職活動をする
辞めたい理由を分析した上で、辞める決断をしたらまずは転職活動をしましょう。会社を辞める前に活動することをオススメします。
辞める前に転職活動を行う3つのメリット
- 仕事に余裕を持てる
- 金銭的余裕が持てる
- 自分の市場価値を知る
メリット①仕事に余裕を持てる
転職活動をすることで、今の仕事に余裕をもつことができ、悩みが緩和されます。
転職エージェント等に登録すると定期的に様々な求人を送ってもらえます。
それを是非「私にはこんなに転職のチャンスがある」と捉えてみてください。
仕事が辛いと悩んでいる方の多くが、「今の会社にしがみつかなければならない」と考えているケースが多いです。
そうではなく、「辞めてもなんとかなるさ」と考えることで、仕事の辛い面も和らぐことがあります。
メリット②金銭的余裕を持てる
会社を辞めてから転職活動をすると、最も困るのが金銭面です。
会社を辞めることで収入がなくなります。
目先の生活に支障が出るだけでなく、焦って転職先を決めてしまい、会社選びに失敗してしまう恐れがあります。
反対に、今の会社で給料をもらいながら転職活動をすることで、じっくり会社を選びながら転職活動できるので、会社選びを充実させることができます。
メリット③自分の市場価値を知る
退職する前に転職活動をするメリットの一つが自分の市場価値を知れることです。
あなたの経験や年齢によって、転職することで、今より待遇が悪化する会社しか選べない可能性があります。
その場合、会社に残った方が良いといった判断をすることができるので、会社へ在籍中に転職活動することをオススメします。
転職を始める場合、『転職のプロが教える安心して転職に臨むための準備のすべて』をまずは参考にしてみてください。
この記事を読んでいただくことで、どのように転職準備を始めればいいのか、転職準備する上でのポイントは何かについて、把握いただけます。
2. 円満退職に近づく切り出し方と退職理由3選
転職活動が終わり、退職が決まったら退職をの具体的な準備に入ります。
2-1. 退職を切り出す2つのポイント
退職が決まった場合は、まずは直属の上司に伝えるべきです。円満退職を目指す場合は特に注意しましょう。
上司よりも先に同僚等に話してしまうと、社内によからぬ噂が流れてしまいますし、上司の心象としても好ましくないので、あなた自身が上司に切り出しにくくなります。
そこでまずは上司に具体的にいつ、どう切り出すベきかご紹介します。
①いつ切り出すべきか
遅くとも退職の1か月〜2か月前に切り出すことが重要です。
法律では2週間前に退職を申し出れば辞められると定められています。
しかし、退職交渉や引き継ぎ、有給消化で時間がかかるため、1〜2か月前の切り出しが一般的です。
②どのように切り出すべきか
ポイント1. まずははっきりと辞意を伝える
「お話があります」と上司を呼び出し、辞めたい旨といつ辞めるかをはっきりと伝えましょう。
そして、声のトーンもいつもより数段階真剣なものにし、退職が苦渋の決断である事を伝わるようにする事が大切です。
ポイント2. 理由は個人的なものに
切り出した時、なぜ辞めるのか・辞めた後どうするのかは必ず聞かれます。
それに対して、法的にも、常識的にも「一身上の都合」でかまわないのですが、それでは納得してもらえないケースが多いです。会社もあなたの退職を全力で阻止したいため追求してきます。
その際、理由は「個人的なもの」にしましょう。
個人的な理由を伝える理由
- 会社への不満であればそこを改善すれば(部署を変える・給与を上げるなど)、引き止められると考えられてしまうため
- 会社への不満を露わにすることで、会社に残る人の心象を悪くし円満退職から遠のくため
あくまでも「個人的」かつ「前向き」な理由にしましょう。前向きかつ、今の会社では実現が厳しい事を理由にする事で受け入れてもらいやすくなります。
さらに、『退職の切り出し方で失敗しないための全ポイント』を読んでいただくことで、退職の切り出しに関するより深い知識をつけていただけます。切り出す際に注意すべき4つのポイントもご紹介しているため、円満退職を目指す際は是非参考にしてみてください。
2-2. 建前の退職理由・3つの例
先ほど退職理由は「個人的なもの」が好ましいと解説しましたが、「個人的な理由」は例えば以下の3つのようなものです。
①将来やりたいことができた
例1:将来やりたいことが明確になったが、今の会社では実現できないため退職します
例2:将来の目標に向け、専門学校に通いたいため退職します
現状の不満ではなく、未来に向けた前向きな思いであれば円満な退職につながりやすく、さらに応援してもらえる可能性も高くなります。
②家族の介護をしなければならない
介護が理由であれば、上司の反対も少なく、職場の人も納得してくれます。
なぜなら家族の介護は、詳細まで聞く事がはばかられるためです。
③結婚を機に退職する
結婚や出産が理由の場合もおめでたい話なので円満に辞められるケースが多いです。ただ、結婚・出産後も働きやすい環境が整っている場合は下記のようになぜ退職するのかを聞いてくる場合もあるので答えを用意しておきましょう。
うちは産休取れるし、産休のあとも問題なく働いてる女性はたくさんいるよ。なんでわざわざ辞めちゃうの?
回答例は下記のようなものがあります。
私は、一つの事を中途半端にせずにやりたいという気持ちが人一倍強い人間です。今までは仕事を一番に考えて働いてきましたが、育児が始まればどちらかが中途半端になってしまいます。それを自分で許せないため、退職させていただきたいです。
さらに、結婚や出産に対して過剰に反応してくる人もいるので、浮かれた雰囲気にならないように注意しましょう。
3. 仕事を辞める時の5つのステップ
退職をするためには多くのステップが必要になります。そのため、図解でご紹介していきます。
3-1. 転職活動を行う
先ほどご紹介した通り、辞めると決めたらまずは転職活動を始めます。
3-2. 退職を切り出す
こちらも先ほどご紹介した通り、転職先が決まったらまずは上司に切り出します。
3-3. 退職交渉を行う
退職を切り出した後は、上司、上司の上司、さらには人事担当者と交渉等を行います。
退職交渉はあなたが、希望通りかつ円満に辞められるかがかかる重要なステップです。
そこで重要なのが、退職交渉前から引き継ぎの準備をしておくことです。
1~2か月前に退職を切り出せば、上司は「上司は自分勝手なやつだ」と考えてしまいます。さらに、「お前が抜けた後はどうするんだ」と言った反論をされて退職の時期がずれかねません。
そこで、しっかりと引き継ぎの準備をして誰でも引き継げる状況を作っておきましょう。
上司や同僚からの反発も、きちんと準備をしておく事で緩和できます。
退職の意思が決まったらすぐに引き継ぎの準備を始めましょう。そして、「1か月で退職するので、あと1か月間で最大限の引き継ぎをします」と宣言し、しっかりと引き継ぎを行う事で誠意を見せられます。
また、『誰でも円満退職!確実に退職するための退職交渉の全ポイント』を読んでいただくことで、退職交渉に関するより詳しい知識をつけていただけます。円満退職に限らず、有給を必ず取れる方法や難航した時に意識していただきたいポイントまで有利に退職交渉を進めるために必要な知識を全て付けていただくことができます。
さらに、有給休暇を取得して退職されたい方は、『退職前の有給消化|確実に取得して有意義に使うための全知識』を参考にしていただければ、確実に有給を取得した上で会社を辞めるために必要な全ての知識をつけていただくことができます。
3-4. 退職願・退職届を提出する
退職交渉を終えてから、退職願・退職届を提出します。
①提出は退職交渉終了後
他のサイトでは、「退職の切り出し時に退職届等を用意する」と言った説明をされているところもありますが、筆者は退職交渉が終わってから準備し、提出することをオススメします。
理由は以下の2点です。
- 退職願・退職届を受け取った時点で受理をしたことと同義になってしまい、受取手が困惑してしまうから
- 退職交渉が終わっていないのに退職願・退職届を提出するなんて無礼だと捉える人もいるから
以上のことから、退職交渉が終わり次第、上司に相談してから作成・提出を行いましょう。
②退職願・退職届のどちらを提出すべきか
退職願・退職届のどちらを提出すべきかは基本的に上司に相談しましょう。就業規則等で定められていることが多いためです。
上司が指示をしてくれない場合は、退職願を提出します。退職願は退職届と比較して柔らかい印象を与えるためです。
③手書き・縦書きで書く
就業規則があれば、それに従います。
なければ、手書きでかつ縦書きで作成しましょう。
手書きで書く理由
- 退職届・退職願」=手書きと考えている人が多数いるため
- 手書きで丁寧に作成する事で最後まで誠意を見せられるため
縦書きで書く理由
- 横書きより畏まった印象を与えられるため
実際に手書きでマナー通りに書く際は、『手書きが必須?見本付きで楽々わかる退職届・退職願の書き方』を参考にしてみてください。使う道具からテンプレートまで、手書きの際に意識すべきポイントを全て記載していますので、参考にしていただくことで退職願・退職届であなたの好感度を上げられます。
④丁寧に、マナーを守って折る
退職願や退職届には実は折り方があります。
マナー通りに折ることで、以下のようなメリットがあります。
- 受け取り手が困らない大きさ、厚さになる
- 読み手が開いた時に読みやすい向きにできる
以上のことから、マナーを守って折ることを心がけていただければと思います。
マナー通りに折っていただくためには、『退職願・退職届の折り方|丁寧な図解付きで誰でもできる!』をご参考にしてください。こちらのページを読んでいただくと、以下のような丁寧な図解で間違えず退職願や退職届を折っていただくことができます。
3-5. 引き継ぎと挨拶を行う
退職届を提出したら、引き継ぎの時期に入ります。このタイミングで有給も消化していきましょう。
また、退職日が決まったら社内外の関係者にできるだけ対面で挨拶をしに行くことも大切です。
時間的制約で挨拶に行くことが難しい人に対しては挨拶のメールを送ることで、今の関係を維持できる可能性は上がります。
挨拶のメールを送る際は、『円満退職を実現する挨拶メールの全ポイント【テンプレ付き】』を参考にしてみてください。相手別にどんなメールを送るべきかテンプレをまとめているので効率的に好感度の高いメールを送ることができます。
4. 仕事を辞める勇気が出る3つの教え
いざ、退職を決心しても、退職にはかなりの勇気が必要です。そんな時に思い出して欲しい筆者なりのアドバイスをさせていただきます。
4-1. 転職先であなたを待っている仲間がたくさんいる
あなたが、退職に踏み切れない一つの理由に、上司や同僚への思いがあると思います。
自分が退職することで、彼らが悲しんだり怒ったりするんじゃないか。
そこで、想像していただきたいのが、次の職場の仲間です。
次の職場の上司、同僚は、あなたと働くことを心から楽しみにしています。
想像するだけでワクワクしませんか。
今の職場で辞めるのを躊躇するほど上司や同僚と関係を築いてきたあなたなら、新しい仲間ともきっと上手く行きますよ。
4-2. 仕事を辞めてもなんとかなる
安定している今の仕事を退職すると、後の人生に不安を覚えてしまう人もいるんじゃないでしょうか。
- 次の会社でクビになったらどうしよう。
- 転職先見つかるか心配だ
先ほども紹介しましたが、まずは転職エージェント等に登録しましょう。
転職エージェントや転職サイトに登録すると、たくさん求人が出てきてびっくりしたんじゃないかと思います。
今の日本で働きたいのに働ける環境が全くないことはごく稀です。その際も、社会保障があります。
つまり、仕事を辞めてもなんとかなります。
反対に企業に残るリスクも忘れてはいけません。今はどんな大企業でも傾く時代です。
つまり会社に残る=安定という時代は終わりました。あなたが満足できる環境で経験や実績を積んでいく方が安心ですよね。
4-3. あなたの穴はすぐ埋まる
あなたが、責任ある仕事をしていればしているほど辞める決心はつかないのではないでしょうか。
私が辞めたら職場は回らないんじゃないか。
多少迷惑は掛かりますが、あなたがどんな仕事をしていてもなんとかなります。人を増やしたり、残業増やして、なんとかさせます。
なぜなら、あなたが抜けて仕事が止まったら利益が減るからです。
反対にそれでなんとかならなかったなら、「リスクヘッジをしてこなかった会社や上司が悪い」と割り切ってしまいましょう。
5. さいごに
仕事を辞める時に知っておいていただきたいポイントについて紹介してきましたが、いかがでしたか。
大切なことは、辞めたいからといってすぐに辞めるのではなく、しっかりと準備をした上で辞めることです。
退職は人生を変える決断です。決して焦らず、怖がらず後悔のない選択をしていただければと思います。
あなたの今後の人生がより明るいものであることを心から願っています。






