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【ゴルフ】

レギュラーツアーが人生 ジャンボ尾崎に単独インタビュー

2016年2月3日 紙面から

今年の“テーマ”を披露する尾崎将司=千葉市内の自身の練習場で(櫛谷和夫撮影)

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 1月24日で69歳になった男子プロゴルフのレジェンド、尾崎将司は現在、千葉市内にある自身の練習場でトレーニングを積んでいる。その尾崎が本紙の単独取材に応じた。ジャンボは50歳以上のシニアツアーの対象になっているが、過去に一度も出場したことはなく、あくまでレギュラーツアーに参戦し続けている。そして今年も、若い選手たちに交じって戦うべく、準備を進めている。レギュラーツアーへのこだわりや今季の目標を聞いた。 (聞き手・櫛谷和夫)

 −昨シーズンは12試合に出場し、予選落ち5回、途中棄権7回。腰痛や右脇腹痛など体調不良との戦いだった

 尾崎「昨年はひどい体の状態だった。特に背中の痛みが強かった。(スイングでの)ねじりの動作ができなくなっていたね。しかも骨折(右肋=ろっ=骨)。9月ころから『おかしいな』と思ってアイシングや電気治療をやっていたけれど、なかなか良くならない。良くなったと思ったらまた痛くなる。それが最後まで続いた。ああいう思いはもうしたくないね」

 −今オフに取り組んでいるトレーニングは

 「昨年の11月の終わりから加圧トレーニングを始めている。1週間に2回。加圧は1日やると2日間の休養が必要。成長ホルモンが分泌されて、それが筋肉になるから、ほかのことはやらない。軽く有酸素運動かな。まずは筋肉。筋力がないから瞬発系の動きが悪くなっていた。まず最初に筋肉をつくることから入っている」

 −2カ月たってますが

 「筋肉はできてきている。筋肉ができるとボールを打っていても疲れない。昨年は試合が始まると疲れが出て何もできなくなった。それでも何とかしたいと、無理して振りにいった時に(体のどこかに)ピッときた。それが昨年の反省。それがないように、1週間に1回でもトレーニングをしなきゃいけないね」

 −今年の目標は

 「体をつくって飛距離アップ。これが第一。レギュラーツアーは飛距離がないと絶対無理。若いやつらが伸びて、俺が落ちるわけだよ(苦笑)。だんだん差が出てくる。それを少しでもなくしたい。この年になってうまいゴルフをしようと思っていない。飛距離アップ一本」

 −ということは、今年もレギュラーツアーだけ?

 「何を聞いてるんだよ(笑)」

 −シニアツアーという道もありますが

 「愚問だよ。全くない。シニアは試合数も増えていいことだと思っているけれど、それはそれ」

 −レギュラーツアーへのこだわりは何ですか

 「自分が決めたことだからね。自分の目標がそこにある。それが自分の人生。俺にはそれしかできないと思っている。男として自分の生き様に恥ずかしくないようにしたい。生き様は目標をきちんと立てて、その目標に進んでいかなければいけない。それが俺の性格であり、俺の人生であるから」

 −究極の目標はトーナメントV?

 「それは遠い話だけれど、それでもかすかな望みを追いかけるのも人生楽しいものだよ。俺はそれが好きでやっている。この年になったら好きなことしかやってはいけない。やりたくないことはやらない」

 −そんな思いを色紙に書くとしたら

 「老騏千里(ろうきせんり)。昔の英雄が年をとっても、なおかつ覇気が衰えず、大きな目標に向かって歩むということ。自分にあてはまるから、いい言葉だなと思っている」

 −若手選手に言いたいことは

 「まあ、自分のことで精いっぱいだけど、今の日本の若手プロゴルファーには『ニュースになるようなことをやれ』と言いたい。新聞などに大きく大きく取り上げられるようなことをやってもらいたいね」

<尾崎将司(おざき・まさし)> 1947(昭和22)年1月24日、徳島県海陽町(旧宍喰町)生まれの69歳。181センチ、90キロ。海南高時代はエースとして64年センバツ優勝。65年プロ野球西鉄入りし、3年間在籍。70年プロテスト合格。71年日本プロで初優勝。現在まで世界113勝(世界プロツアー最多)、日本の賞金王12回(最多)。世界ランク自己最高は5位。2002年全日空オープンを55歳で勝ち、ツアー制度施行後最年長優勝記録樹立。13年つるやオープン初日を62で回り、ツアー史上初のエージシュート達成(当時66歳)。弟の健夫、直道もプロ。血液型B。趣味は刀剣、盆栽。

 

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