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虐待・DV避難の子どもに教科書を再支給へ
2月3日 17時15分

児童虐待やDV=ドメスティック・バイオレンスが過去最多となるなか、「着の身着のまま」の状態で緊急的な避難を強いられ、教科書を失う子どもたちが増えています。文部科学省は、こうした子どもたちには原則1度しか無償で支給していない小中学校の教科書を再度支給する方針を決め、全国に通知しました。
義務教育の小中学校の教科書は国が無償で支給していますが、大災害などの場合を除き、同じ教科書は1度しか無償で支給できないことになっています。しかし、児童虐待やDVが過去最多となるなか、「着の身着のまま」の状態で緊急的な避難を強いられ、教科書を失った子どもに対して特例的に支給したいという、各地の教育委員会からの相談が増え、文部科学省によりますと、今年度だけですでに38件、平成14年度以降では106件寄せられているということです。
こうした事情を踏まえ、文部科学省は、虐待やDVが理由で新たに教科書が必要になった子どもには再び無償で支給する方針を決め、3日までに全国の教育委員会に通知しました。通知では、来年度からは児童相談所などの関係機関と連携したうえで、再支給される教科書が子どもの元に確実に届くよう対応を求めています。
文部科学省は、「無償で支給されないままの子どもが多くいたと思われ、今後は柔軟かつ積極的に支給していきたい」としています。

埼玉県教委「DVで教科書失うケース多い」

DVからの避難などを理由に教科書を失った子どもについて、文部科学省には全国の教育委員会から相談が寄せられていますが、埼玉県教育委員会は昨年度は12件、今年度もすでに9件と全国で最も多くなっています。埼玉県では、昨年度から市区町村向けの資料で、DVなどが理由の場合は教科書の再支給について県に相談するよう求め、そのつど、国に再支給の許可を求めてきましたが、認められなかったケースもあったということです。
埼玉県の担当者は、「DVや虐待によって教科書を失う子どもは多くなっていると感じる。特別な事情を抱えてやってくる子どもたちなので、今回の新しい方針で確実に教科書が届き、1日でも早く子どもが学校生活になじむきっかけになればと思う」と話しています。

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