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【調査】Facebookは時代遅れ?アメリカの10代が考える「イケてる・イケてない」サービス

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日本は少子化が進む一方でアメリカでは新たなテクノロジーやサービスに敏感な若い世代が多く生まれてきている。その中でも最近特に注目されているのが現在18才以下のジェネレーションZ。米国のミレニアル世代・ジェネレーションZに効果的なブランド構築方法でも紹介したように、アメリカ国内においてミレニアル世代とジェネレーションZを合わせた37歳以下の若者は既にアメリカの全人口の半分以上であり、サービスの成功には若者ユーザーが大きな鍵となっている。

参考: 年齢別にみるアメリカの人口の割合

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今回は13~18歳の、まさにジェネレーションZであるアメリカ人60人に対して行なわれたアンケート調査の結果をもとにアメリカ人10代の間で使われなくなった4つのサービスと、愛されている6つのサービスを一挙に紹介する。

もう"イケてない"と言われた4つのサービス

① Facebook

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【回答】

ほとんど時代遅れ(14歳)

自分の親や友達の親に投稿をみられるから使わない(16歳)

Facebookはイベントを開くときはいいけど、間違いなくお気に入りのアプリではない(15歳)

調査対象だった10代のほとんどはFacebook登録者だったにもかかわらずFacebookはお気に入りのアプリではないと応えていた。親に見られる心配や、広告でごちゃごちゃした見た目がその要因としてなっている。しかし、鬱陶しいと思ってもFacebookを持たないこともできないという。誰もが「Facebookを持ってるでしょ。あなたもだよね?」という社会からのプレッシャーがあり、Facebookを聞かれたときに毎回持ってない理由を説明することすら面倒だからだそうだ。

② Google+

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【回答】

そもそもGoogle+を使うときがいつなのか知らない(16歳)

確かに、Google+をメインで使っている人を見たことがない。Google+利用方法を知るまでもなく他のSNSで全ての事が足りているという印象が強い。以下のグラフを見ても、そもそもGoogle+を利用している人が少なく割合も減少している。

参考: アメリカのソーシャルメディア利用状況

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③ Whisper

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【回答】

単純にもう誰も使ってない(17歳)

Whisperとは他のユーザーと匿名で秘密を共有できるアプリとして2013年に流行したサービス。ただ今では流行が過ぎてしまったようだ。というのもその利用され方の実情は学校や友達なのど酷い悪口をいうだけだという。やはりマイナスな発言がたまるSNSというのは存続は難しいようだ。またWhisperをする前に気をつけなければならない10個の事という記事がリリースされているほど社会的に注意するべきことが多く、そういったものはややこしいためFacebookと同じように敬遠される傾向にある。

参考記事: Don't Do These 10 Things When Using Whisper

④ Vine

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【回答】

Vine動画はみるけど、自分も友達も誰も動画を投稿したことがない(16歳)

Vineは6秒の動画をアップするサービスとして人気を博していた。しかし、観ることはあっても自分で動画をアップする機会はほとんど無いようで、Vineの熱は冷めきっているといえる。誰もが参加者になれないと熱は冷めてしまうのかもしれない。

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そんな中、人気を独占する6つのアプリ・サービスとは?

これ程までに「流行」「廃り」が早いのかと感じさせるような辛辣な回答が並んだが、そんな辛口な彼らを魅了するアプリも当然ある。大体予想はついているかもしれないが今回は理由と供に紹介する。

① Snapchat

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【回答】

スナップチャットは私のコミュニケーション方法の1つといってもいい(15歳)

テキストメッセージと役割は変ないし可愛い自分の顔写真ものせられるから好き(16歳)

今自分がどこにいて何をしているかということを短く簡単に伝えられるから良い(17歳)

Snapchatは親しい人とのネットワーク内での交流であって、そのネットワーク内の人が自分のパーティーではしゃいでいる写真を見ても問題ない。もちろんイイネの数やコメントを気にする必要もない。とにかく他のソーシャルネットワークと比べて、圧倒的に社会的なプレッシャーが少なく、だからこそ自由に出来る場所として利用され続けている。

② Spotify

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【回答】

友達の音楽の好みを知ることができる(14歳)

友達がシェアする音楽をみて新しいお気に入りの曲をみつけられる(14歳)

Spotifyはその名を世界に轟かせている音楽ストリーミングサービス。今の10代は自分の音楽趣味すらも不特定多数の人と共有するようになっており、無料で気軽に音楽を聴き、シェアできるのが当たり前になっている。

関連記事: ~アメリカでは誰もLINEを使わない?~ 国別にみる若者が使うアプリの違い 5選

③ Instagram

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【回答】

他のみんなが何をしているのか知りたい(15歳)

Instagramでみつけた面白い写真を友達に送れる(15歳)

自分が今何処で何をしているのかを全部シェアできるから(15歳)

Instagramは不動の人気をキープ。「snapchatでも写真を共有し、Instagramでも共有するの?」と思うかもしれないが全ての写真をポストするのがSnapchat。その中でも自分が最もかわいく写っている1枚を選んで載せる場所がInstagramというような利用分けが器用になされている。

また、Instagram上ではフォローされたらフォロー仕返さないといけないというプレッシャーがほとんどなく、Facebookと違って変な写真にタグされていないか常に気をつけておく必要がない。(Facebookのタグづけ前に確認できる機能を知らない人が多い)Instagramの方が広告が少なく、もっとコンテンツ自体がフォーカスされている印象だ。

④ Twitter

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【回答】

なんらかの形で有名人とつながることができるから(18歳)

いつでもツイートできるしFacebookのようにごちゃごちゃしてないから(17歳)

自分の心にためていたことを吐き出せて、それに同級生が同情してくれるから(19歳)

ダークホースだったのはTwitter。日本ではまだTwitterを頻繁に利用する人が多いが、アメリカでは新規ユーザー獲得が苦境だと話題に上がっていた。しかし意外にも10代からの人気は高かった。賛否は置いておき、簡単に検索で自分が見つけられるわけではないため、親や家族が見ていない環境で学校の不満を言うような場所として機能しているそうだ。

⑤ Netflix

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【回答】

Netflixで良い(16歳)

アメリカではテレビよりもNetflixをはじめとするストリーミング配信サービスやケーブルテレビを利用されている傾向がある。PwCの調査でも過半数を超える人がストリーミング配信のメディアを好んでいたとの結果が出ている。HuluやAmazonプライムの利用者の割合も多かったがNetflixの利用率は圧倒的でケーブルもNetflixもHuluも登録している家庭でもほとんどはNetflixを利用するという。ただしドラマのアップロードはHuluの方が早いため、そのためにHuluを使う人はいるようだ。

⑥ Facebook Messenger

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「あれ?Facebook離れはじゃないの?」と思った方もいると思うが、Facebook Messengerの利用率は高く、今回の調査対象者の80%以上が頻繁にFacebook Messengerを利用していると応えた。 KikやSnapchatもテキストメッセージとしてはFacebook Messageに劣るようだ。

その他のFacebook利用シーン

グループ機能

facebookを使う目的の多くはグループ的な役割。グループをチェックするためだけにfacebookを使い、重要なところを見終えるとすぐログオフしてしまうという。ニュースフィードのように難しいアルゴリズムも使われておらず、ただ新たな情報が一番上に見れるというシンプルな仕組みが良い。また大量に流れて来るポストや広告から必要な情報を選別する必要がなく、ただ一番上にある情報をチェックすれば良いだけだから楽で使いやすい。

検索機能

初めてあった人を探すときにまず最初に使うのがfacebook。twitterやinstagramはあまり使わず、多くの場合Facebookが使われる。なにより実名で検索するだけでほとんど誰でも見つけることが出来るのが特徴。

他サービスへのサインアップ

他のサービスに登録する際、面倒な手間を省くためにFacebookアカウントで登録することが増えている。Facebookはネット上の身分証明書のような働きを持っているためアカウントを消さないだけでも意味がある。

まとめ

上記のサービスの失敗例と成功例からみたなかでアメリカの10代向けにサービスをつくる前に心得るポイントは3つ。

社会的なプレッシャーを感じさせないもの(少なくとも親には気付かれないこと)

仲の良いコミュニティだけで自分の好むものを主張でき、友達の好むものを知れるもの

ユーザーが当事者で受け身にならないもの