「23時30分」の原油価格に注目せよ! 〜株価の波を読むひとつの方法

2016年01月18日(月) 真壁 昭夫
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一方、東京在勤のトレーダーたちは「10時15分前後は非常に神経を使う」と口をそろえる。中国人民銀行が人民元の基準値を発表し、市場が大きく反応しやすいからだ。人民元の基準値によって、金融市場の投資家の懸念が大きく左右され、それが世界の金融市場の動向を決める可能性が高い。

中国政府は厳しい規制で強制的に市場を安定させようとしているため、アジア時間の市場動向が欧州、米国の投資家にも当てはまるとは限らない。その点で、市場がどう動くのかを考えるために、原油価格の動きは重要だ。

[Photo]GettyImages

23時30分前後の原油価格の動きを確認する意味

足元の原油価格のボラティリティ上昇は、安値を狙って短期的な利益を狙ったヘッジファンドなどの影響が大きい。ただ、彼らの動き次第では、今後どこかで原油価格が反発する可能性は認識しておくべきだ。

投機筋にとって重要なことは、いかに自分にとって有利な市場の流れを作り出すかだ。そのためには、市場が極端に楽観、悲観、どちらかに傾いている方がよい。足許、市場はリスクオフに傾いている。その中で、ごく短時間であっても価格が急に上昇すると、市場全体が上昇の方向に傾くことも考えられる。

投機筋は短期の売買を行い、大勢の投資家心理を揺るがすことで市場の流れを作ろうとする。押し目を狙う投機的な動きに大勢の投資家がなびく場合、原油価格は急に反発する可能性があるだろう。

ただ、原油価格の反発は一時的な動きにとどまる可能性が高いと見る。なぜなら、依然として世界の原油供給圧力は解消されていないからだ。原油価格の乱高下が、株式市場や為替相場のさらなる混乱につながるかもしれない。そうした展開を考える上でも、23時30分前後の原油価格の動きを確認する意味は大きい。
 

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