Updated: Tokyo  2016/02/03 16:14  |  New York  2016/02/03 02:14  |  London  2016/02/03 07:14
 

債券は上げ幅縮小、高値警戒感や株下げ渋り-金利低下余地あるとの声

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    (ブルームバーグ):債券相場は上昇幅を縮めている。長期金利が過去最低を付け、先物が最高値を更新したことで相場水準の高さに対する警戒感が出ている。株式相場が下げ渋っていることも重しとなっている。

3日の長期国債先物市場で中心限月の3月物は、午後に入ると150円70銭付近でもみ合いとなっている。午前は前日比37銭高の150円93銭と、前日の夜間取引で記録したこれまでの最高値の150円80銭を上回った。

JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジストは、「朝方から株価が弱かったことなどから押し目買いが入り、午前は相場が強くなった。日銀の国債買い入れオペもそこそこ強かった」と指摘。「やや売りが出てボラティリティが高まったが、急激に金利が上昇していく局面ではない」と話した。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の341回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より1ベーシスポイント(bp)低い0.065%で開始。一時は0.045%と、1日に付けた過去最低0.05%を下回った。午後は0.065%まで売られた後、0.06%に戻している。

新発2年物の361回債利回りは午後に入ってマイナス0.18%、新発5年物の126回債利回りはマイナス0.13%と、いずれも1日に付けた過去最低を更新している。

岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「日銀の追加緩和でも世界の金融市場は落ち着かず、米債利回りがやや驚きの水準まで低下したため買いがしっかり。10年債がマイナス金利になれば、誰が買うのかと思うが、今日も日銀買いオペはたんたんと実施され、まだ金利の低下余地はあるだろう」と指摘。「特に超長期ゾーンはまだ低下余地があると思っている人が多い」と語った。

2日の米国債相場は大幅上昇。米10年物国債利回りは前日比10bp低い1.84%程度と、昨年4月以来の低水準で引けた。原油価格と株式相場が再び下落基調を強めたために世界経済の見通しが悪化し、安全な逃避先を求める動きから国債に買いが入った。ニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が大幅続落し、1バレル当たり30ドルの節目を割り込んで引けた。この日の東京株式相場は続落。日経平均株価は一時3.8%安となったが、午後は下げ幅を縮めている。

日銀国債買い入れ

日銀が今日実施した今月2回目の長期国債買い入れオペ(総額8900億円)の結果によると、残存期間5年超10年以下の応札倍率は前回から低下した。一方、10年超25年以下、25年超はやや上昇した。

SMBC日興証券の竹山聡一金利ストラテジストは、オペ結果について、落札利回り格差の水準から見て市場実勢より低く決まったと指摘。「超長期や長期ゾーンともにしっかりだった。長期金利は今後も徐々に水準を切り下げそう。売られたとしても0.15%がめどになり、マイナス圏まで達する可能性がある」と話した。

記事に関する記者への問い合わせ先:東京 池田祐美 yikeda4@bloomberg.net;東京 山中英典 h.y@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:崎浜秀磨 ksakihama@bloomberg.net 山中英典

更新日時: 2016/02/03 13:47 JST

 
 
 
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