GoogleAnalyticsカスタムキャンペーン設定を制すれば、「事業拡大期」のWEBマーケ施策は数倍スピードアップする。
はじめに
こんにちは、「サイタ エンジニアブログ」は、今回から「サイタ 開発者ブログ」として、エンジニア以外からの記事も掲載していくこととしました。「サイタ」がどのようなメンバーで、どのような文化で開発/運営されているかを少しでも知っていただければうれしいです。
さて、今回はサイタの事業開発チームの中で社内勉強資料として使われれているものの一部を投稿させていただきます。
この記事では、「cyta.jp」時代には、もう手をつけられなくなっていた、カスタムキャンペーン設定を、サイタカメラ教室(ca.cyta.jp)でまるっと整理することができたので、それについてお話しさせていただきます。
Google Analyticsについての説明はここでやる必要はないと思いますが、このカスタムキャンペーン設定は本当に大変なんです。事業が始まって1年以上経過していれば、もう使いこなすことは不可能と言って良いと思います。
事業拡大期には、「打ち手」の正しい判断と効率化/定型化が必要。
事業「立ち上げ」期の仕事の進め方:「とにかく手を動かせ」
事業立ち上げ期は、analyticsを含めて、何も準備する必要はありません。とにかく行動あるのみ。目の前のサービスを作ったり、ユーザーを作ることに集中するのがベストだと思います。あまりにも実績や結果がないので、その結果を作らなければ今後何も動くことができません。
事業「拡大」期の仕事の進め方:「非効率な業務は全部捨てる」
ただし、事業拡大期には、上記のような仕事の進め方をすればするほど、視野が狭くなり、サービスが思うように成長しなかったり、仕事を分業化できず、小忙しくなってしまいます。
これまでやってきた施策をレビューし、効率性をどんどん高くし、仕事を定型化し、メンバーや事業規模を拡大し続けるのが大事なのではないかと思います。
Google Analyticsのキャンペーン設定をきっちりとできれば、サービスは必ず伸びる。
そこで今回は、Google Analyticsのキャンペーン設定という部分について説明できればと思います。
カスタムキャンペーンで実現できること
上図は、実際に設定完了したAnalyticsのキャンペーン管理画面です。
これまでは、Adwordsであれば、Adwordsの管理画面。YahooであればYahooの管理画面。各メディアは各メディアの数値を集計して管理をしなければならなかったものが、一元管理できるようになりました。
各媒体を木、各個別施策を実として考えると、これまではそれぞれの木を見ながら、身を間引きして、悪いものは外し、良いものは残して伸ばす。ということをやったり、木自体を伐採して他の木に栄養を与える。というようなことをやっていました。
それが、「カスタムキャンペーン機能」を活用することで、リアルタイムに一元管理されるので、マクロに施策を捉えることができます。大きな木の幹を一つにできるようなイメージです。
例えば、
- 「広告自体、あんまりうまくいってないんじゃないの?」
- 「外部メディアからのアクセス、最近増えてるから、もっと増やしたほうが良いんじゃない?」
- 「いろんな広告で、リマーケティングやってるけど、全体的に調子が良くないから、リマーケティングだけ一旦止めてみない?」
といったような議論ができるようになります。
Analyticsならではの、「リアルタイム性」と、「各種統計情報」のストック。
AdwordsやYahoo listingは反映に1,2時間かかる場合が良くあります。各マーケティングツールなども、時間がかかるものが良くあります。しかし、Analyticsは、1秒単位でユーザーの情報を記録しているため、新しい打ち手をやった時に、「5時間後に判断する」というようなことができるようになります。
これまでは、1週間や2週間かけていたような施策のレビューを、朝やって、夜レビューというように1日の中でできるようになることで、事業開発のスピードがガンガン上がります。
あた、アナリティクスは、すべてのユーザーの行動履歴を同じようにまとめているので、各施策を比較するのにはとても便利です。滞在時間や直帰率など、ユーザーの傾向を見ながら、新しいアイデアを膨らます材料にすることもできます。
キャンペーン管理できるようになるために:「パラメータ」の機能と考え方。
カスタムキャンペーンに対応させるのは、とても簡単
URLの末尾に、Analyticsが指定するルール通りにパラメータを設定するだけで、管理可能になります。URLがめちゃめちゃ長くなりますが、がんばって耐えましょう。短縮URLや他のリダイレクトされるような分析ツールなどにも対応しているので、とても便利です。
パラメータのルール作りがとても重要
細かい仕組みなどについては、こちらの 「Google Analyticsのカスタムキャンペーンについて」を見ながら勉強してください。
ここでは、簡単に説明しますが、
- Source
- Medium
- Campaign
という3つの要素があります。これは自由にユーザーが割り当てることができます。広告管理での、「アカウント」「キャンペーン」「広告グループ」というような構造をイメージしていただけるとわかりやすいと思います。
ここで重要なのは、
- 「パラメータ」を変更すると、データは引き継がれない
- すべての施策ごとに、パラメータを設定しなければならない。
ということです。事業拡大期にパラメータ管理を行う上で、以上の2点が重要になります。
バナーの色合い、種類、キーワードの部分一致完全一致設定、タイトルの変更など、施策数は1年で軽く数百、数千の単位になると思います。これにすべてパラメータを割り当てなければなりません。とてもじゃないけれど、サービス開始から数年経ったサービスで設定するのは不可能です。立ち上げ期はそんなことをやっている暇がないので、この、拡大期の一番初めにやるのが大事なのです。
僕の場合、上記のようなルールで管理しています。
特に重要なのは、utm_campaignの部分。管理画面を開くと、一番最初に現れる部分です。(下の図です)
ここの名付けルールを間違えると、後で新しい施策をやった時に、MECEにならずやりなおし、とならないように注意します。
utm_campaignのルール付け
サイタカメラ事業では、上記のように名付けるようにしています。
- 媒体名(サービス名)ごとでの管理
- キーワード広告やバナー広告、メールなどの横断的な媒体種類別の管理
- インタレストマッチや、リマーケティングなど、施策分類別での管理
といったようなことができるようになります。施策番号やクリエイティブ番号にもルールをつけていけば、将来的には、コミュニケーションパターンや入稿するキーワードや配信ターゲット別などにも管理できるようになります。
別運用シートでかならず管理する。
まとめ
新しい施策にチャレンジして、成功するには、たくさんのチャレンジの種を育てないといけません。その育てる種の一つが、GoogleAnalyticsのカスタムキャンペーン管理だと思います。また、種であると同時に、後任担当者への情報共有ツールにもなります。新規事業を成長させる段階では、人を増やす場面も多いと思います。状況に応じた施策の行い方をおこなうことで、事業スピードも数倍高まるのではないかなと思います。