小型無人機「ドローン」などの飛行を規制する改正航空法の施行から1カ月が過ぎた。国土交通省には1月8日までに1112件の飛行許可申請が寄せられたが、許可が下りたのは半分未満の469件にとどまっており、ニーズに対応が追い付いていないのが現状だ。災害時などでの情報収集や被災者捜索のほか、離島への物資配達など、さまざまな分野での活用が期待されるドローン。飛行許可待ちの民間企業からは「どのような安全確保策をとれば許可されるのかなど、分からないことも多いので、しばらく様子を見るしかない」との声も上がっている。
奈良市の工務店「シバサンホーム」は昨年9月、自社施工の住宅定期点検サービスにドローンを導入した。それまで、屋根の点検は専門業者に依頼していたため、コストや日程調整などから、定期点検は年1回が限界。だが、ドローンを使った点検は1回15分ほどで終わるうえ、顧客にもその場で画面を確認してもらえる。同社の柴部崇社長(51)は「コストも手間も大きく削減できた」と話す。
ドローンを飛ばし、住宅に異常がないか点検する=奈良市
導入に要した費用は約20万円。アフターケア担当としてドローンを操縦する息子の文嘉(やすひろ)さん(22)はラジコンを触ったことすらほとんどなかったが、3週間程度の練習で安定して飛ばせるようになった。「ドローンには自動制御機能があるので、意外に簡単」と話す。
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