それは今から20年近く前。
東京でバリバリのシティボーイとして生活していた男が、嫁に拉致られ連れられて、新潟県上越界隈のど田舎に引っ越してきた時の物語である。
そこは方言王国であった
洗礼であった。
俺が務めた会社は、どちらかと言えば上越地方でも農村側の人間が多い職場。農村部、山間部、内陸部に行くほど、方言がきつくなるのが世の常なのである。
A:こんがんがあんがさぁ!
B:そいがかねぇ?
A:そいが!そいがww
おい!こいつらなにしゃべってるかわかんねぇよ(泣)
仕事の指示がわからない
俺:すいません。これってどのくらい作ったらいいですかね?
A:ああ?そんがんがなからでいいこてや!
俺:な・か・ら?? ってなんですか????
A:おまんなからもわからんのかね?あぁおまん旅の者だすけなぁwww
旅の者???なに??俺冒険中の勇者かなんかなの?(泣)
今では使いこなしてますが
そんな出来事からすでに20年弱。今ではんがぁもなからも使いこなしてますが当時はマジで異国に紛れ込んだ状態でした。
発音が違うとか、イントネーションが独特とかなら対処のしようがあるものの、完全に初見殺しのこの方言。慣れるまでには数年の歳月を費やしたのであります。
解説
では代表的なところを何個か
- なから:だいたい、おおよそ
- がぁ~:○○だ!○○なの?
- どんごろ:かたまり
- おまん:あなた
- おまんた:あなたたち
- おまんが:あなたのもの
- おまんち:あなたの家
- おまんちんが:あなたの家のもの
- 旅に出る:都会に就職する
- 旅の者:都会から引っ越してきた人
- すけ・だすけ:○○ので、○○だから
- あに・おじ:長男・次男
もはや中盤あたりはNGワードかってくらいな感じですよねw
たとえば
おまんたがやったがろ?
(あなたたちがやったのですか?)
それおまんちんがじゃないがかね?
(それはあなたのうちのものではないですか?)
になるわけです・・・。
放送コード的に大丈夫なんでしょうか?
春の卒業シーズンになれば
○○さんちんがのあにが旅に出るらしい
だの
△△さんちのおじは卒業して旅から帰ってきた
とか。
まるでドラクエのオープニングにでも紛れ込んだかのような会話が街のあちこちで化させれているのでありました。
おまん!!
かなりこちらの方言にも慣れまして、今では「だすけ」も見事に使いこなせるようになりました。
しかし・・元東京都民としては「おまん!」だけはどうしても使えないのでありましたw
どちらかと言えばシモネタ的な意味で使えないというよりも「おまえ!」って言ってるみたいで抵抗があるせいなんですけどね。
実際地元の人の使い方としては文字通り年下への「お前」から年上への「あなた様」まですべて「おまん」で通しているので、コチラ的にはフォーマルでも使える二人称なのかもしれませんw
まとめ
方言の話なんてひとごとだと思ってるでしょ?
人というものはいつどこで何を出会うかわかりません。
もしかしたら明日知り合うかも知れない彼女のご両親は「おまんがんがんがぁ~」ってしゃべる人かもしれないんです。
もしかしたら仕事で不祥事を起こして上越の支店に飛ばされるかもしれません。
そんなときのために、最低限でも上記の方言は覚えておいたほうがいいですよw
実際時代も変わり、このくらいの強烈な方言を使う人は50代以降の人が多く、今どきの若人はかなり標準語かが進んでますが、逆になくなってしまうのも寂しいかなと思う、元方言恐怖症のとまじぃさんがお送りしました♪