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【政界徒然草】
韓国とは「基本的価値」は共有できない! 安倍首相の三行半に韓国・朴政権は焦っているようだが…
さらに、1月27日の参議院本会議で行われた代表質問で首相は、民主党議員への答弁の中で、昨年10月に大筋合意に至った環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)について「21世紀型のルールによる世界の4割経済圏を生み出すとともに、その求心力により、基本的価値を共有する国・地域が経済のきずなを深め、その輪を広げていく戦略的意義があります」と強調。北米や欧州などの先進7カ国(G7)に限らず、豪州やニュージーランドといったTPP参加国も加えた。
韓国に対して「基本的価値観を共有する」と言わないのは「中国と同じ非民主的国家だ」と言っているのに等しい。韓国を「戦略的利益を共有する最も重要な隣国」と表現したのは、言外に「戦略的互恵関係」をうたう中国と同等扱いしたと言えなくもない。
これに対して韓国は昨今、中国経済の減速や北朝鮮問題への対応などを背景に、日本との関係改善に向けて動き出している。昨年12月の前ソウル支局長に対する無罪判決に続き、慰安婦問題に関する日韓合意では、合意直後に林氏がソウル市内にある元慰安婦の支援団体「韓国挺身隊問題対策協議会」(挺対協)の施設を訪問。元慰安婦の女性に合意内容などを直接説明して理解を求めている。
しかし、ソウルの日本大使館前に設置された慰安婦像の撤去については依然として見通しが立たず、「最終的かつ不可逆的」な解決への道のりは遠い。韓国が再び日本と「基本的価値を共有」したいというのであれば、それに見合った行動で示す必要があり、それができなければ、いつまでも〝片想い〟のままだろう。
(政治部 小野晋史)