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[ワシントン 1日 ロイター] - ガソリンなどのエネルギー価格が大幅に下落したが、米国民はそれによって浮いた資金を消費してしまわず、貯蓄に回している。石油安はかつてほどの景気浮揚効果をもたらさなくなっているようだ。
米商務省のデータによると、2014年半ば以来、原油価格が70%下落したことで、ガソリンその他のエネルギー商品に対する家計支出は年間1150億ドル減った。これは国内総生産(GDP)の約0.5%に相当する。
しかし同時に貯蓄額が1210億ドル増えている。商務省のデータはこの資金の出所を示していないが、別の調査を見ると、原資はエネルギー安で浮いた分のようだ。
ロイターとイプソスが米国民3068人を対象に実施した調査によると、75%はガソリン安によって生活必需品の購入が楽になったと答えた。浮いた額を高額の買い物に使っていないとの回答は過半数を占めた。40%以上の回答者は、節約分が債務返済に役立ったと答えた。
調査は1月15日から27日にかけてオンラインで実施された。
ジョージア州ピーチツリー市に住む女性は、ガソリン安のおかげで週に30ドルほど支出を節約できているが、高額の買い物をする計画はないと話す。ガソリン安は続かないかもしれない、との警戒感が一因だ。
消費者の慎重姿勢について一部のエコノミストは、2007─09年の景気後退の傷がまだ癒えていないためだと見ている。
ダラス地区連銀のカプラン総裁は、退職年齢に近づく国民が増えていることも、消費を慎重にさせていると指摘。ロイターのインタビューで「彼らはそれが気掛かりで、もっと貯蓄しなければと思っている」と話した。
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