■金で手に入る羽
「羽が手に入ったんだ 君にあげるよ」
「」
可愛くないこの子は俯いたままだ。
この羽は高かった。苦労した。もう手に入らない。
それでも、最初から恵まれた者には到底及ばない、劣った羽だ。
この醜い子以外にも羽が手に入らない、適さない子がいるのかもしれないと考えると心憂い。
「気が向いたら、君と、そして自分が幸せになれるための何かを探して」
「うん」
ものすごくつまらなそうにあの子は飛んでいった。
自分はいつか救ってくれるという打算であの子に羽をあげたのだった。
これくらいしか希望がないのだ。
