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別の18億円も償還不能か レセプト債問題、田原証券2債券

 診療報酬債権を基にした「レセプト債」と呼ばれる債券の発行元が破綻した問題に絡み、顧客らに虚偽の説明をしたとして金融商品取引業の登録を取り消されたアーツ証券(東京)の紹介で、田原証券(愛知県田原市)がレセプト債とは別の債券を販売していたことが分かった。販売総額は18億円に上るが、発行元の財務状況は不透明で、財務当局は償還できない恐れがあるとみている。

 債券は2種類で、中小企業の売掛債権を基にしたとされる「碧(あおい)」と、米国の不動産投資を基にしたとされる「ASAP」。いずれも2013年から販売していた。

 碧はアーツ証券が発行元の設立に関与し、発行残高は5億7千万円。うち田原証券は2億円分を販売していた。証券取引等監視委員会(監視委)の調べでは、担保となるべき売掛債権の残高は2億4千万円にとどまる上、一部は回収が困難になっている。

 ASAPは発行残高が49億円で、うち田原証券は16億円分を販売していた。アーツ証券は米国の債券管理・運営会社の委託を受け、田原証券に販売を指導。監視委によると、アーツ証券は債券の運用実態を把握していないのに「収益の根源は米国不動産に関連づけられたもの」などと説明していた。

 田原証券の代理人弁護士は本紙の取材に「ASAPについては財務状況を直接確認すべく、現地法人と調整している。碧についても早急に財産保全の方策を立て、債権者に説明する場を設けたい」と述べた。

 田原証券はアーツ証券の紹介で、破綻したファンドが発行したレセプト債56億円分を販売し、償還できない恐れが浮上している。被害対策弁護団の弁護士は「新たな被害の発生を恐れており、動向を注視している」と述べた。

(中日新聞)

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