先月30日午後2時56分ごろ、全羅北道金堤市の母岳山中で、山火事対策に使われる民間ヘリコプターが墜落し、操縦士のキム・サンホさん(61)が死亡した。事故当時、墜落現場から100メートル離れた所にある公園では、約500人が遊具やそりなどで遊んでいたが、ヘリが公園を避け、森の中に墜落したため、大惨事を免れた。
墜落したヘリは、全羅北道が今年、山火事対策に活用するため民間から借りたもので、セジン航空に所属している。30日に忠清南道泰安郡から離陸し、母岳山近くのヘリポートに到着した後、1日から150日間にわたり、全羅北道中西部一帯で春に発生する山火事の防止や消火のために活用される予定だった。
目撃者によると、このヘリは公園の40メートル上空を旋回していたところ、突然バランスを失い、ダッチロールを繰り返しながら、公園の西側の森に45度の角度で墜落した。公園管理事務所の職員ユン・ヨジュンさん(29)は「週末で穏やかな陽気だったため、多くの人で賑わっていたが、ヘリが公園に墜落しないよう、操縦士が最善を尽くしたと思う」と話した。
操縦士のキムさんは陸軍航空隊やサムスン航空などで40年にわたってヘリを操縦してきたベテランで。昨年末にセジン航空に移籍し、事故当時は初めて金堤市に向かうところだった。
事故当時、金堤市上空の可視限界距離は13.6キロで、気象条件も良好だった。国土交通部(省に相当)は事故調査班を現地に派遣したが、ブラックボックスがないため、事故原因を把握するまでには2カ月ほどかかる見通しだ。