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【サッカー】

U−23代表きょう日韓ファイナル 無得点浅野狙うはラストヒーロー

2016年1月30日 紙面から

韓国との決勝に向けて調整する浅野=ドーハで(共同)

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 【ドーハ(カタール)占部哲也】リオデジャネイロ五輪最終予選を兼ねたU−23(23歳以下)アジア選手権で五輪出場を決めたU−23日本代表が29日、ドーハ市内で決勝・韓国戦(30日)に向けた前日練習をした。この日は、日本代表が2011年アジア・カップ、カタール大会で優勝してからちょうど5年。当時高校生だったFW浅野拓磨(21)=広島=が、アジア制覇弾を決めた元日本代表FW李忠成(30)=浦和=のように、ラストヒーローの座を狙う。

 あの感動をもう一度−。11年1月29日、ちょうど5年前。四日市中央工1年だった浅野は、テレビの前でくぎ付けになった。アジア杯決勝のオーストラリア戦。日本代表FW李忠成が延長後半4分に歴史に刻まれるスーパーボレー弾を決めた。

 「しびれましたね。鳥肌が立った。そういう舞台に立ちたいと思った」

 まだ、高2の高校選手権で得点王になる前だった無名のストライカーは奮い立った。5年後。U−23世代でアジアの頂点を目指す決戦のチケットをつかんだ。しかも、立場は当時の李と重なる。役割はスーパーサブ。決勝まで無得点。最後の最後で主役の座を射止めた李はこう残している。

 「ずっと想像していた。この大会、もう一度チャンスが来る。オレがヒーローになる」

 今大会、絶好機がありながらネットを揺らせない浅野も、同じような言葉を口にし続けている。「点は取れていないけど、次の自分自身に期待している」。折れない心。信じ抜く力。日韓決勝を前に、スピードスターは言う。「今度は、自分が(5年前のアジア杯優勝の感動を)みんなに感じさせたい」。決意表明だった。

 昨季はJリーグベストヤングプレーヤーに輝き、手倉森ジャパンでは切り札として期待された。「まだチームに貢献できていない。自分には責任が残っている中で、日韓戦があるのは幸せ」。どこまでも前を向く。最後の最後でヒーローになるのは俺−。雑草魂を胸に秘める浅野が5年ぶりに日本をアジアの頂点へ導き、誇りと自信を取り戻してリオへ乗り込む。

 

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