- 2016年1月18日
暴れ川として有名な天竜川を下るスリリングな「天竜舟下り」
長野県の諏訪湖を源流とし、静岡県の太平洋まで流れる天竜川。今回は「暴れ川」としても有名なこの天竜川を、スリリングに舟で下る「天竜舟下り」を体験しに長野県飯田市へ。東京からも名古屋からも高速バスが出ている飯田へは、鉄道よりも高速バスでのアクセスが便利。飯田市の中心部から車で15分ほどの乗船場に着いたら、川下りの始まりです。
パネルの船頭さんがお出迎え
「天竜舟下り」の乗船場である弁天港へは、中央自動車道の飯田ICからも、JR飯田線の飯田駅からも車でおよそ15分ほど。到着するとパネルの船頭さんが笑顔で出迎えてくれます。「おいでなんしょ」とは、この地域の方言で「いらっしゃいませ」を意味するそう。
受付で乗船手続きを済ませたら、お土産物が数多くならぶ待合所で乗船のときを待ちます。乗船までの時間に売店で売っている「パンの耳」を買っておくと、舟下りの最中に舟の近くまで近寄って下りてくるトンビに、えさを上げることができます。時間がなくて買い忘れた方は、船の中でも販売していますが数に限りがありますので、なるべく乗船前に確保しておきたいですね。
水しぶきをあびたい人はいちばん先頭で乗船しましょう
待合所では、乗船前に舟下りの注意点のアナウンスがあり、救命胴衣が配られます。この救命胴衣は着水すると自然に膨らむタイプで、お子さま用も用意されています。舟下りに参加する人は全員この救命胴衣を身に付けてから舟に乗りこみます。乗船は基本的に最初に乗った人から舟の先頭へ詰めて着席するので、水しぶきがかかるスリリングな体験をしたい方はぜひ先頭に並んでください。
出航時間は毎時ちょうどと決まっており、お客さんの数によって舟の数は変わります。団体客は団体ごとに乗船できるように工夫されているようですが、一般のお客さんは相乗りにて乗船します。
出航してしばらくの間 舟はのんびりと下っていきます
左右にバランスよく着席したら、いよいよ弁天港を出発です。出航後まもなく上空にトンビがたくさんやってきます。すでにえさをもらえると知っているようで、何羽ものトンビが上空で旋回しています。船頭さんがエサのあげ方のアドバイスをしてくれますので投げてみましょう。
トンビの下降に合わせてタイミングよくえさを投げると、足で上手にキャッチします。水面に投げれば、トンビが水面ぎりぎりまで急降下して、足でえさをキャッチしていく様子も見られ、なかなかおもしろい体験ができます。そんな元気なトンビを横目に、川岸で微動だにしないアオサギもこの日は確認できました。
「天竜舟下り」は約6キロの距離を、約35分かけて下っていきます。船頭さんの軽妙なトークや解説が楽しく、見どころをタイミングよく解説してくれます。えさやり体験が終わり、おしりの形のように見える「おしり岩」を過ぎると、徐々に急流ゾーンに入っていきます。
急流ではビニールシートが必須
いよいよ急流地帯に入ります。急流に入る前に、船頭さんのビニールシートの使い方講座でしぶきのよけ方を学びます。
舟の進行方向に向いて座り、横にあるビニールシートを舟の外に押し出すような感じで張ります。隣のお客さんと協力してシートを張り、舟の中に入ってこようとする水しぶきをブロックするような形で防ぐのですが、これが意外と楽しいのです。透明なシートですのでそのシートに水が豪快にかかってくるのが分かります。このシートを使わなかったら相当な量の水が入ってくるのではないかと思うほど。
先頭の人はシートを張っても、水しぶきがかかる可能性が高く、急流を下っているときは、先頭のお客さんから悲鳴に近い声も。スリリングな箇所はいくつかに分かれており、船頭さんの合図でうまく水しぶきをよけながら進んでいくと、同じ舟に乗り合わせたお客さんの一体感が出てくるから不思議です。
下船後は名勝「天竜峡」へ行くこともできます
「天竜舟下り」は35分の船旅を終えると終点の時又港へ到着。時又港の近くにはJR飯田線の時又駅があり、そこから電車で名勝「天竜峡」へ向かうこともできます。天竜峡では別の川下り「天龍ライン遊舟」も運行されており、2種類の川下りを乗り比べてみるのも、おもしろいかもしれません。
「天竜舟下り」は、冬場はあたたかい「こたつ舟」で運行されますので、年中楽しむことができますが、やはりいちばんのおすすめは紅葉の時期。山肌が赤や黄色に染まる風景を、舟から眺めるのはなんとも趣深いものがあります。水面からの目線で景色が眺められるのは「舟下り」でしか体験できません。
水しぶきを浴びながらスリリングに下る急流や、優雅にのんびりと景色を眺める時間が両方楽しめる「天竜舟下り」。飯田へお越しの際はぜひ体験してみてください。
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