我々の感覚が数学とずれるのは何故なのか?
Grigoriy 'ahlinpoker' Skrypnik に脳による認知的歪曲の謎を解き明かすシリーズの続きです。
認知的歪曲がポーカーのプレイにどう影響するのかというお話を続けたいと思います。最初 と 2番目 の記事では、5 つの例について紹介しました。もしまだこれらをお読みでないなら、是非そちらからお読みください!
他人に自分の意見を投影する
ポーカープレイヤーにとっては、他人も我々と同じように考えているというように自分の頭脳が捉えてしまうことは重要かつ危険なごまかしを生み出すことになる。ポーカーにおいてそれは、相手プレイヤーも目の前で行われているゲームを自分と同じように見ており、似たような状況では相手もまた自分と同じような決断を下すであろうと考えることを意味する。
しかし現実には、平均的ポーカープレイヤーを相手にした場合、それが判断ミスであることが露わになる。保守的でよりタイトにプレイするプレイヤーは、意識しないままに、他のプレイヤーも保守的なプレイをするものと予想してしまい、ルースで他のプレイヤーに攻撃を仕掛けたがるプレイヤーは他のプレイヤーもまたルースにプレイするものと期待してしまうのである。
もちろん相手プレイヤーのほうでは、相手がもし自分だったらするようなものと同じような決断を下してくれること期待できるわけではない。ロックのプレイヤーは実際にはあなたが見るよりもタイトにプレイするであろうし、そうでないプレイヤーはあなたを実際よりもアクション好きなプレイヤーであると見るのである。
非常に大きな/小さな数字を歪めて捉える
驚くべきことだが、我々は無意識のうちに非常に大きなあるいは小さな数字の正確な把握と言うものが出来ないのである。その中にポーカーにおいて数学的に正確に把握した上で決断しないと大きな損失に繋がるような確率も含まれている。
ポーカープレイヤーと言うものは、ビッグポットの重要性を過大評価する傾向にある。我々はビッグポットを多く取れば取るほど、それは相手に効果的に付け込んでいることになり、ポーカーをより上手くプレイしていることになると思いがちなのだ。もちろんビッグポットが我々の勝率に影響するのは確かで、その影響が重要になることもあるが、上手いプレイヤーは分かっている通り通常の状況では小さなポットのほうがより重要となるのである。残念なことにそれらの場面で得られた利益や損失のマージンは脳には正しく認識されない。言葉を変えれば、それは我々の直感は金がどこから来てどこへ去っているのかをちゃんと分かっていないということなのだ。
同じような形のものとして、我々にはリスクとリターンが微細なときにその違いを正しく評価出来ない。簡単な例として、リバーで相手がポットの 10% ベットしてきて、自分のハンドはとても弱いがそれでもショウダウンバリューはあるとしよう。この時コールして利益は出るのか?このシナリオで正しい評価を下すには我々の頭脳はとても重労働を強いられるのだ。
他の例を見てみよう。我々はリバーでブラフしてポットを 1/2 をベットして、相手は 60% の割合でコールするとしよう。あなたから見て、半分以上の割合で相手がコールしてくるので、これは長期的には損の出る状況のおうに映る。あなたの脳はネガティブフィードバックのほうをより頻繁に受け、あなたにベットをしないように説得してくる。だがこのケースではネガティブな結果がポジティブな結果よりより価値の低いということを認識できていないのである。実際には、そういう状況ではブラフは利益が出るのである。
これにはどのように処していけばいいのだろう?実はそれはそれほど恐ろしいことではなく、答えは単純である。トレーニング、トレーニング、それに更なるトレーニングを重ねることだ。大事なのは意識の上ではあなたはブラフで利益が出ることは分かり切っているということで、あなたは計算をしているのだからそれは間違いはない。となるとあなたの目的は、無意識と言うものを手なずけることだ。自分がどんな場面にいることが早く分かれば分かるほど、意識も無意識もあなたに同じ答えを返すようになり、同じ決断へと導くようになるのである。
どんなケースであれ、これは我々が日常生活においても立ち向かわなくてはならない問題だ。常識感覚や計算があることを示しているのに、内なる恐れと直感によって異なる方向へと導かれるケースがいったいどれほど多くあることだろう?ポーカーキャリアを通じて、あなたには感覚と数学を同じレベルに安定して発揮無くてはならないのだ。その方向へと舵切りを出来るだけ早く出来れば、よりよい結果が出ることは間違いない。
続く….
Grigoriy "ahlinpoker" Skrypnik のその他の記事
- 自信過剰がいかにしてあなたに転落をもたらすか
- あなたがポーカーテーブルで自分の頭脳に裏切られる理由
- あなたのポーカースキル向上にとって最高の作業
- ローステークスで勝てない 5 つの理由
- 時間あたりの稼ぎを倍増させるには?
Grigoriy Skrypnik
Grigoriy ahlinpoker Skrypnik は PokerStrategy で 2007 年から携わっています。彼はエディター、およびポーカー教材製作の仕事をロシアコミュニティで行っています。
コメント (1)
#1
翻訳されているスタッフの方、すごいです。ありがとうございます。