フィッシャーFRB副議長:世界に不透明感、次回の行動まだ不明 (1)
2016/02/02 08:15 JST
(ブルームバーグ):米連邦準備制度理事会(FRB)のフィッシャー副議長は1日、最近の金融市場の混乱や中国をめぐる不透明感が米国経済にどの程度影響を及ぼすかの判断はあまりにも難しく、米金融政策当局者は次の行動を決められないとの見解を示した。
フィッシャー副議長はニューヨークの外交問題評議会(CFR)で講演し「こうした動向が持続的な金融環境のひっ迫につながるなら、米国の成長やインフレにも影響を及ぼし得る世界的な景気減速の前兆となる可能性がある」と述べた上で、「しかし近年にも同様のボラティリティが見られた期間があったが、その時は景気に永続的な痕跡はほとんど残さなかった」と付け加えた。
副議長は3月の連邦公開市場委員会(FOMC)で当局者らがどう行動するかについての質問には「答えることはできない」とし、「われわれも全く分からない。世界は不安定であり、金融政策当局者が確信を持てるのは現時点の予想と異なることがしばしば起こるということだけだ」と語った。
フィッシャー氏はインフレ率は目標の2%まで回復する可能性が高いとの従来の主張をあらためて強調。ただ到達に要する時間は従来の見通しよりも長くなるだろうと述べた。副議長はまた、「フェデラルファンド(FF)金利の緩やかな引き上げ」を当局は見込んでいるとの見解を重ねて示した上で、「現在の原油相場と輸入価格の下落が収まり安定すれば、インフレへの影響はなくなるだろう」と説明した。
また副議長は質疑応答で、景気刺激でマイナス金利を導入した海外の中銀はこれまでのところ、自らの予想以上に成果を挙げていると語った。
原題:Fischer Says Fed’s Next Decision Unclear Amid Global Issues (1)(抜粋)
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更新日時: 2016/02/02 08:15 JST