Updated: Tokyo  2016/02/02 05:06  |  New York  2016/02/01 15:06  |  London  2016/02/01 20:06
 

銀行保有のソブリン債リスク、EUで討議-ドイツが懸念、上限設定も

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    (ブルームバーグ):銀行が保有するソブリン債に制限を設けることが欧州連合(EU)で協議されている。金融面での域内統合を進める前にリスクを減らすべきだとするドイツの主張に応えようとしている。

欧州中央銀行(ECB)のデータによると、ユーロ圏の銀行資産に占めるユーロ参加国ソブリン債の割合は昨年末時点で10%強の2兆7300億ユーロ(約360兆円)と、1年前から3000億ユーロ増えていた。

銀行バランスシート上の大量の国債については、ユーロ圏だけでなく世界中で当局が監視を強めている。規制報告上、これらソブリン債はリスクフリー資産と見なされることが多く、銀行の資本要件が緩むからだ。一方、銀行の保有高がここまで膨らんでいることや、レポ取引など基本的な金融取引での役割を考慮すると、銀行のソブリン債保有に関する改革は単純ではない。

欧州銀行監督機構(EBA)幹部のアダム・ファルカス氏はインタビューで、「ソブリン債が現在、銀行バランスシート上で特別に有利な扱いを受けていることは事実で、これは見直し対象になっている」と発言。「銀行の日常業務でソブリン債が果たす固有の役割を考えれば、非常に重要な議題だ」と続けた。

一部の銀行に対し、適格資本の中でリスクフリー資産として保有できるソブリン債の割合上限を25%にするという案が欧州では俎上(そじょう)に載せられている。ブリュッセルでの協議に詳しい関係者2人が明らかにした。この水準を超えた部分に段階的なリスクウエートが適用され、当局は危機時にこのウエートを引き上げることもできるという内容で、これによって銀行は特定国のソブリン債を恒常的に大量保有することに慎重になると期待されているという。

銀行資産に占めるソブリン債の割合増大をリスクとして懸念しているのはドイツのみでなく、ユーロ圏財務相会合の議長を務めるオランダのデイセルブルム議長も昨年12月にこの問題への対応が必要だと発言した。EUの2つの作業部会がこれについて検証し、年央に報告を出す。

原題:EU Weighs Bank State-Debt Limits to Ease Germany’s Risk Concerns(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:ブリュッセル Rebecca Christie rchristie4@bloomberg.net;ロンドン John Glover johnglover@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先: Patrick Henry phenry8@bloomberg.net; Alan Crawford acrawford6@bloomberg.net Boris Groendahl, Silla Brush

更新日時: 2016/02/01 19:39 JST

 
 
 
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