「帝国の慰安婦」 著者がウェブサイトで無料配布開始

【ソウル聯合ニュース】旧日本軍の慰安婦問題に関する著書「帝国の慰安婦」で慰安婦被害者の名誉を傷つけたとして、名誉毀損(きそん)罪で在宅起訴された朴裕河(パク・ユハ)世宗大教授(日本語日本文学科)が同書の無料配布を始めたことが1日、分かった。

 朴氏が開設したウェブサイト(http://parkyuha.org)には、同書の序文と本論をダウンロードすることができるリンクが掲載されている。これは昨年2月の仮処分決定により問題になった34カ所を削除したもの。

 朴氏は自身のフェイスブックで無料配布の開始を知らせ、「34カ所削除されているが私の趣旨を理解するのには問題がないと考える。苦痛な『慰安婦』経験をしなければならなかった方々や全世界の韓国の方にこの本を捧げる」と伝えた。

 朴氏は2013年8月、慰安婦被害者について「自発的な売春婦」「軍人の戦争遂行を手助けした」などと記述した「帝国の慰安婦」を出版。慰安婦被害者らは14年6月、朴氏を名誉毀損で告訴した。ソウル東部地検は昨年11月、虚偽の内容で被害者の名誉を傷つけたなどとして、朴氏を在宅起訴した。先月20日に初公判が行われた。

 朴氏は初公判に先立ち、先月19日に国民参与裁判(裁判員裁判)を申請。自身のフェイスブックに「この裁判は世論裁判でもあることから国民裁判といえる」として、「本当の国民裁判になるよう、『帝国の慰安婦』のファイルを無料で配布する」と書き込んでいた。

 同書をめぐっては、慰安婦被害者らが朴氏に損害賠償を求める民事訴訟も起こし、ソウル東部地裁は先月13日、一部表現が被害者の名誉を傷つけたとして朴氏に計9000万ウォン(約906万円)の支払いを命じる判決を言い渡した。朴氏は判決を不服として控訴した。

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