最近はイスラム国(IS)などによるテロ事件が相次ぎ、世界各地の空港が顧客サービスを一部低下させても出入国のセキュリティーを強調しているが、韓国の玄関口である仁川空港は世界の動きに逆行しているようだ。姜東錫(カン・ドンソク)元仁川空港公社社長は「乗客サービスの向上ばかりを強調する余り、出入港のセキュリティー、安全面の要素を見逃している」と指摘した。
1週間余りのうちに仁川空港で相次いだ2件の事件は▲作動しないセキュリティーシステム▲マニュアルを守らないセキュリティー担当者▲監視カメラによる監視の不十分――などが複合的に作用して起きたという共通点がある。それら問題を是正しなければ、仁川空港では似たようなトラブルが無数に発生しかねず、テロ分子が国民に安全を脅かす致命的な状況を招きかねない。
仁川空港のセキュリティーホールは、昨年12月に朴完洙(パク・ワンス)前仁川空港公社社長が総選挙出馬のために辞任して以降、職員のセキュリティー意識や緊張感が低下したためだとの指摘もある。姜東錫元社長は「空港は社長が自分の家の戸締まりをするように振る舞ってこそ、あらゆる分野の担当者が緊張感を持って働くものだ」と話した。