韓国の玄関口である仁川国際空港にセキュリティー上の重大な欠陥が露呈している。
わずか8日間に外国人乗り継ぎ客に2回もすり抜けられたことで明るみに出た仁川空港のセキュリティー水準はあきれさせられる。1月29日に韓国に密入国したベトナム人が仁川空港の入国審査上で自動出入国審査場のゲート2カ所を強引に開けて出てくるのにかかった時間は2分以下だった。1月21日には中国人2人が仁川空港のセキュリティーゲート4カ所を14分で突破した。ベトナム人は空港が混雑する朝に自動出入国審査上のゲートを手で強引に開けて通ったが、最初のゲートでは警報音が小さ過ぎ、周囲の誰も気づかなかった。第2のゲートを通過する際には何の音も鳴らなかった。深夜に中国人が密入国したケースでは、閉鎖されているべき出入り口が自動的に開き、最後のゲートのロックは10年放置したちょうつがいが緩く、簡単に外れてしまった。
仁川空港のセキュリティーがこれほどいい加減なのは、サービス評価指標で高評価を得ることにばかり関心を寄せているからだと指摘する声が上がっている。仁川空港は世界の空港サービス評価(ASQ)で10年連続1位だが、評価の重要な指標が乗客の出入国手続きの時間短縮だ。こうした指標の点数を上げることが仁川空港の重要目標になっている。
仁川空港関係者は「空港の出国審査上を30分早くオープンし、移動式チェックイン機器の導入などで速やかな出国を支援するのが国土交通部(省に相当)の今年の業務目標だ」と説明した。ベトナム人が自動出入国審査場のゲートを強引に開けた際にも、それを監視すべき審査官が通常の入国審査場に乗客が押し寄せたため、持ち場を離れていたことが分かった。