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【防衛最前線(54)】
たかなみ型護衛艦 むらさめ型より打撃力を大幅アップ 海賊・不審船への対処に威力 韓国と共同訓練も
海上自衛隊の主力として、敵の艦艇や潜水艦への対処を主任務とするのが「たかなみ型」護衛艦だ。「むらさめ型」護衛艦の改良発展型として、平成15年に1番艦の「たかなみ」が竣工。18年までに「おおなみ」や「まきなみ」など計5隻が建造されている。
船体は全長151メートル、幅17・4メートルで、乗組員は170人。最大速力は30ノット(時速約55キロ)を誇る。
サイズはむらさめ型と同じだが、打撃力を大幅に向上させたことが特徴といえる。主砲に127ミリ速射砲を搭載。シースパロー短SAM(艦対空ミサイル)とアスロックSUM(対潜兵器)を発射可能なVLS装置、高性能20ミリ機関砲2基、SSM(艦対艦ミサイル)などを備える。哨戒ヘリコプター1機も搭載できる。
たかなみ型護衛艦は、海自がアフリカ東部のソマリア沖アデン湾で展開している海賊対処任務でも主力を担う。現在、海自は2隻の護衛艦をアデン湾に派遣し、民間船舶の直接護衛と、各国と連携するゾーンディフェンスを行っている。派遣する艦艇は、たかなみ型とむらさめ型を基本としている。