2016-02-01
■[芝居]アーサー・ミラー『転落の後に』を見る
アーサー・ミラー作の芝居『転落の後に』を見た。文学座付属演劇研究所研修科卒業発表会、演出は西川信廣、会場は文学座アトリエだった。
アーサー・ミラーの芝居は『セールスマンの死』の戯曲を読んだことがあるだけ、芝居を見るのは初めてだった。3時間の芝居はとても楽しめた。前後半の2部に分かれている。前半と後半がかなり内容が異なっている。
舞台は戦後のアメリカ、主人公のクェンティンは成功した弁護士であり、何人かの女性たちと関係を持っている。妻がいるが、ドイツで知り合った女性や裁判で弁護した女性、生きずりに近い女性たち。さらに母親や父親、兄も登場する。それらの人たちとの交流は長い年月に及んでいる。それをクェンティンの回想として描いている。時間や空間が複雑に重なり合って、しかもその輻輳する時空がしかし混乱することなくみごとに整理されて演出されている。あるいは戯曲の力だろうか。親しい3人の友人たちの友情が描かれる。ところがマッカシー旋風が吹き荒れ、裏切りがあり友人の一人が鉄道自殺する。クェンティンの子供の頃から現在までがほとんど一つの舞台で演じられる見事さ。アーサー・ミラーの戯曲の素晴らしさを感じた。
それが後半になって意外な展開になる。クェンティンは弁護士事務所で働いていた交換手を応援し、彼女は売れっ子の歌手になる。やがて二人は結婚する。しかし彼女マギーは人気の高まりとともに傲慢になり酒や睡眠薬に溺れるようになる。後半はクェンティンとマギーの愛憎劇のようになる。前半部のあの複雑な舞台がなぜこんな単純な構造の愛憎劇に変わってしまうのか。
その疑問はこの芝居について調べて分かった。アーサー・ミラーはマリリン・モンローと結婚していた。しかしその生活はモンローの酒や薬に溺れる生活などで破れ、二人は離婚した。モンローが亡くなって数年後にこの芝居が書かれたという。すると、前後半が分裂しているような芝居は、アーサー・ミラーにとってはどうしても書かねばならなかったものだったのだ。
そのこととは別に、現在日本でこの芝居を演じて、日本の若者にどれだけ分かってもらえるのか。マッカーシー旋風のことを知っている若者がどれだけいるのだろう。
主人公のクェンティンは最初から最後まで出ずっぱりの大役だ。それを常住富大がみごとに演じている。もちろん演技は未熟だが、卒業公演でこれを演じ切るのは並大抵のことではないだろう。マギー役の小山真由も魅力的だった。岡崎加奈も印象に残った。
私が見たのは1月30日の夜の公演、タニーチームの芝居だった。デンプシーチームとタニーチームがキャストを変えて演じている。しかし、クェンティンとマギーは両チームとも同じ役者が演じている。終わって、3時間が長いと感じなかった。
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