韓国の美容整形、患者の3割が「結果に不満」

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ソウル市内の地下鉄に貼られた美容整形の広告 Agence France-Presse/Getty Images

 韓国ソウル市が増加するメディカルツーリズム(医療観光)への依存度を高めるなか、美容整形手術で思わしくない評価が浮上した。最近の調査によると、韓国で整形手術を受けた患者の約3割が結果に満足していないというのだ。

 消費者保護機関である韓国消費者庁は2日、患者1000人を対象に実施した調査で32.3%が不満を表明し、少なくとも一つ副作用が出たと答えたのが17%に上ったことを明らかにした。

 同庁は、よく聞かれる不満として傷跡や感染、さらに口元の片方が上がってもう一方が下がるといった顔面の左右不均衡などを列挙した。

 消費者庁の広報官は、整形手術の患者を同庁が直接調査するのは今回が初めてだと話した。

 消費者庁に寄せられた苦情件数は増加しており、昨年は前年比28.5%増の4806件に達した。現在のペースを保てば、今年は5000件を超える公算が大きい。

 美容整形外科医1600人ほどからなる専門家協会の広報担当者は、手術が失敗したとの報告が増加していることについて、整形を専門としない外科医による手術が増加しているためだと非難した。こうした外科医が何人いるかは不明だが、協会は専門医の数を最大で10倍上回ると推測している。

 韓国美容外科学会(KSAS)にかけた電話に出た人物はインタビューに関する内部規定を理由にコメントを控えた。KSASのウェブサイトには、同学会に整形手術を専門としない外科医が1800人所属していると書かれている。

 韓国の外科医は1年間のインターンシップと4年間の研修期間を経て専門分野を決める。しかし、一般外科医や整形以外を専門とする医者も整形手術をすることができ、消費者団体は患者を混乱させる可能性があると指摘している。調査では、整形を専門とする外科医かどうかを見分ける方法を知らないとの回答が63%に達した。

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