「法を守ると同じ所に」隈氏、類似指摘に反論
2020年東京五輪・パラリンピック主会場の新国立競技場をデザインする建築家の隈研吾氏(61)が1日、東京都内の日本記者クラブで記者会見した。旧計画案のデザインを担ったザハ・ハディド氏からスタンド構造や座席の配置などで類似が指摘されていることに「法令を順守して緻密に計算すると、どの方が設計しても同じ所に落ち着く」と述べ、改めて反論した。
隈氏は、8万人の観客が短時間で避難するには客席数を分散して配置できる3層構造のスタンドが「最も合理的」と説明。隈氏によれば、ザハ案が採用された当初のデザインコンクールでも最終審査に残った11作品のうち7作品が3層構造という。座席レイアウトや柱の位置などが似ているのも、通路幅などが法令などで定められているためと説明。「著作権の専門家に聞いても問題ないと言われている」と強調した。
また、大会後の利用推進に旧計画のような開閉式屋根の設置が可能かを問われ、隈氏は「今の構造では補強しないといけないが、対応できないわけではない」と話すにとどめた。【田原和宏】