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炒め野菜など…懸念ややあり発がん性物質

アクリルアミドどこから摂取

 内閣府・食品安全委員会の作業部会は1日、高温で揚げたり炒めたりした野菜などに含まれる発がん性物質「アクリルアミド」の摂取と日本人の健康への影響について「リスクは極めて低いが、動物実験の結果から、懸念がないとはいえない」との最終評価の結果案をまとめた。食品安全委員会は摂取量を減らすよう促している。

 作業部会(青木康展座長)は2011年からアクリルアミドのリスクを検討してきた。

 アクリルアミドは食品に含まれるアミノ酸(アスパラギン)と糖が120度以上の加熱によって反応して生じる。微量でも遺伝子を傷つける作用をもつ。

 国立環境研究所や農林水産省の最新データで日本人の平均推定摂取量は、体重1キロあたり1日0.24マイクログラム(マイクロは100万分の1の単位)だった。どこから取っているかを見ると、約6割を占めたのは炒めたモヤシやキャベツ、フライドポテトなど高温調理した野菜だった。2番目はコーヒーや緑茶などの飲料。含有量が高いとされてきたポテトスナックなど菓子類は16%と少なかった。日本は欧州連合(EU)加盟国(0.4〜1.9マイクログラム)より低く、香港(0.21マイクログラム)とほぼ同じだった。

 今回の調査でも、人への健康影響は明確ではないとの結論になったが、動物実験でがんが認められた最少量と日本人の平均推定摂取量が比較的近いことから、「懸念がないとはいえない」との評価になった。

 作業部会は「特定の野菜を怖がる必要はないが、高温での調理時間を短くするなど家庭でできる範囲内で減らすのがよい」としている。【小島正美】

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