私は、元社会保険労務士会会員で、一昨年まで5年間在籍していた者です。
結論からいえば、教養の取得又は自己啓発程度ならともかく、
就職・転職・独立開業を考えているのなら、
少なくとも、社会保険労務士資格だけは取得しない方が良いです。
もしも、社会保険労務士資格を取得しても、就職の履歴書には書かないことが大事です。
「社会保険労務士」を書いたら、他の資格のメリットまでも台無しにするになるので、
それ以外の資格で検討されることをお薦めします。
確かに、
資格予備校などの広告や社労士会員さんサイトなど資格商法業者サイトを拝見すると、夢と勇気と希望を与えるポジティブな広告が多くて、
誰でも、それを鵜呑みにして、社会保険労務士試験を受けたくなりますよね!
だから、受験者が急増して、最近では6万人~7万人も受験します。
そこで、せっかく夢と希望を抱いて社労士受験する気分に水を差すようで、
ネガティブで申し訳ございませんが、資格商法業者と、
現実の実態を紹介します。
※前者が資格商法業者、後者が現実です。
1.全国で労働や社会保険問題のスペシャリストを必要とする事業者は、数百万事業所、どこの事業所でも喉から手が出るほど欲しい人材です。
それに対して社労士会会員は、3万人台と圧倒的に不足していて、
今社労士として独立開業すると、あちこちの事業所から、
顧問契約の申込み、講演依頼など引っ張りダコで、山ほど仕事があります。
ちなみに、全国の社労士平均年収は、約850万~900万円と、
高収入が得られます!
→「平均年収は、約850万~」は、おそらく全国社会保険労務士会連合会が、
会員向けに発行する「月刊社会保険労務士」で、定期的に行うアンケート結果が生み出した、数字上のトリックです。
(仕組みは、アンケート項目が、最低でも500万円未満であり、シカも任意回答なので、この方式だと最低でも500万円以上は確保できます。さらに、自分の年収を自慢したい高収入会員が、アンケートに回答した結果だけを平均したものと推定されます。)
社会保険労務士になるには、社会保険労務士試験合格後、原則実務経験が2年以上であることが、
社会保険労務士会員登録の条件ですが、
実務未経験又は実務経験浅い方でも、全国社会保険労務士会連合会の主催する
「事務指定講習(中身は、レポート3回提出と4日間の講義のみ)」約7万円で、
実務経験が2年以上の代替とみなされ、会員登録することができます。
(具体的な実務に向けた職業訓練すらなく、つまり本物の実務経験積ませることなく)
社労士資格者なら労務や年金の仕事バリバリできると信じて社労士会入会する方が多いですが、
こんな実務の職業訓練すら全然やらないインスタント「事務指定講習」だけで、
本格的な労務や社会保険方面を任せてもらえるほど、世の中は甘くありません。
でも、本当に社労士資格を役立たせるためには、本物の労務や社会保険方面実務経験、
シカも2年以上というチャチなものでなく、少なくとも7~8年以上が望ましいです。
実際には、やはり実務経験が長い会員、特に前職その方面にて管理職として、多くの若手育成したような豊富なベテラン経験者の方が、顧問開拓など社労士として成功しています。
実務未経験で独立開業しても、顧問開拓は期待できなく、良くて労働保険年度更新受付みたいな短期・臨時の行政協力、
又は社労士試験の試験監督、市役所の1日だけの相談員など臨時・短期の単発仕事収入で年収何十万円が関の山です。
地元社会保険労務士会
http://www.sr-kumamoto.or.jp/
を例にとれば、そんな人口の多い県ではないのに、
会員数は、平成23年現在350名~360名位と多く毎年激増しています。
平成22年度は、入会30名、退会17名です。過去5年間に、退会者数が80名~90名と推定されます。
つまり、入会者の2人に1人、全体会員数に対し過去5年間に4~5人に1人が、
社会保険労務士として生計を立てることを断念して、途中退会したことになります。
私は、元社労士会会員で、2年連続労働基準監督署の労働保険臨時集計員の26日短期行政協力を経験しました。
地元社労士会東西支部には、会員約210名~220名で、開業会員はその約3分の2と推定されます。
でも私が受付の経験から言えば、顧問先や労働保険の書類提出数が、独立成功度のバロメーターとなりますが、
実際に来所された会員で、提出書類が10枚以上×数回と、かなり顧問数が多く成功しているような会員は、約50名と
全体の3分の1位で、たまに数件書類提出に来所された会員が20~30名位だったと記憶しています。
それだけ社会保険労務士の現実は、生き残りが厳しい世界であります。
実際は、会員の半分位は、社労士本業で顧問ゼロ、単発的な行政協力と試験監督など良くて年収数十万円、下手すると一つも仕事がない会員も多いです。
なぜなら社労士会会員が近年激増しすぎたために、一人あたりの仕事獲得が困難になったからです。
また、例えば労働統計調査員や労働保険年度更新受付のような単発的な行政協力、社労士会年金相談員など、1日4500円~8000円位の仕事でさえ、何十人も応募者が多く、仕事を獲得するのが命懸けです。
つまり、新人はもちろん、ベテラン会員でさえ、1日6000円位の仕事でも
旱天慈雨のごとく、喜んで飛びつくほど仕事に飢えているのです。
2、社労士資格は、就職・転職にとても有利であり、社労士が就職する又は、
企業や官公庁内で、社労士資格を取得すると、
職場内で、社会保険や労務のスペシャリストとして重宝がられ、
将来の出世に有利で、専門職の管理職としての高収入も夢ではない!
(これを鵜呑みにすると、就職情報サイトに良くある「未経験者歓迎!年収600万800万可能」のお仕事でさえ、就職できそうな期待ができそうな気がします。)
→実際は、社会保険や労務の実務未経験者なら、事実上就職・転職は不可能です。
社労士資格者なら労務や年金の仕事バリバリできると信じて社労士会入会する方が多いですが、
労働基準監督署の総合労働相談員みたいに、日給9000円未満の非常勤、社会保険雇用保険なしの仕事でさえ、1人募集に対して20人応募など超難関。
年金事務所(旧社会保険事務所)の年金相談員なども、社労士会には元年金事務所実務経験者が何十人もいるので、未経験者が、それらを差し置いて、年金相談員に抜擢されることは、まず不可能です。
他にも、ホワイトカラー系のお仕事なら、正社員は夢のまた夢(履歴書を送付すると大半は書類審査だけで返送される。)のはもちろん、
時給760円の契約社員でさえ、10人募集に対して50人応募で、2回面接受けて2回とも採用見送りになるなど就職難です。
結局私は、実務未経験者には、世の中の誰もが安易に仕事をさせないという、厳しい現実を実感して、社労士会を退会しました。
でも、社労士会を退会した者にとって、これからの人生を歩む上で、大事なことを
実感することになります。
「ただ、冷暖房完備の室内で、チョコチョコと机の上で作業して、ペラペラしゃべるだけで高収入とは、考えが甘かった。
もうこれを教訓に、楽して稼ごうなんて、考えない。」
人間は、実際に自分の体を動かして、額に汗して、頑張って働いて稼ぐことが、
これからの人生を歩む上で、大事なことです。
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