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「北朝鮮の制裁解除も」 核兵器放棄を条件に

 【ワシントン和田浩明】ケリー米国務長官は27日、中国の王毅外相との会談後、核実験を強行した北朝鮮に対する国連安保理制裁の強化について、「制裁とは別の側面も必要だと一致した。北朝鮮が別の道を選べば、制裁解除や経済協力、エネルギー・食料援助への扉が開く」と述べた。

     ケリー氏の発言は、制裁という「ムチ」だけでなく経済協力などの「アメ」も示すことで、北朝鮮が核兵器や弾道ミサイル開発を放棄する方向にかじを切るよう改めて促したものだ。対話を重視し、北朝鮮の不安定化を懸念する中国側の意向に配慮した部分もあるとみられる。

     一方でケリー氏は、対イラン制裁が中国などの協力も得て、ウラン濃縮活動の大幅削減を含む核合意に至ったことにも言及。北朝鮮に対する新たな安保理制裁は「核計画の終結に向けた交渉が目的だ」と述べ、北朝鮮を交渉のテーブルに戻すための「行動」の必要性を強調した。

     ケリー氏は、新たな制裁に北朝鮮の核・ミサイル活動を抑止する「相当の新しい措置」を含むため、国連での協議を加速することで中国側と一致したと説明した。制裁対象として、中朝間でやり取りされるモノやサービス、船舶や港湾、航空機、石炭や燃料などに言及し、「北朝鮮国民を罰することなく効果が出せる方法は多数ある」と述べた。

     ケリー氏はまた、米国が自国民や日本、韓国などの同盟国を守るため、「必要な全ての措置を取る」とも述べ、北朝鮮の脅威に対処する軍事的な構えも維持していることを示した。一方で「軍事的緊張を高めようとはしていない」と述べ、安保理決議の採択と関係国との交渉再開が主要目標であることを強調した。

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