財務省の呆れた二枚舌
明けましておめでとうございます。今年も本連載をどうぞよろしくお願いします。
昨年末に公開した「『日本の借金1000兆円』はやっぱりウソでした~それどころか…なんと2016年、財政再建は実質完了してしまう!この国のバランスシートを徹底分析」(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/47156)は多くの人に読まれたようだ。厚く御礼申し上げたい。
この分析の要旨は三つ。
一つは財政論から見て国債の負担は財務省のいうほどにはないこと。
二つ目は金融政策論の観点から、量的緩和によるシニョレッジ(通貨発行益)は国債負担を解消するとともに物価上昇圧力になること(結果として実質金利を低めて需要創出になる)。
三つ目は、統合政府のバランスシートを見れば、政府資産の大きさをはかれること、そしてその資産明細から官僚の天下り先を浮き彫りにすることができる、ということだ。
思えば、国債はいいように財務省に利用されてきた。「消費増税しないと国債が暴落する」「量的緩和すると国債が暴落する」「国際公約を守らないと国債が暴落する」「円ドルレートが120円になると国債が暴落する」「あと3年で国債が暴落する」などなどだ。
これらはすべて財務省発信の国内向けの「脅し」だ。実は財務省は、海外向けには「日本国債は安心」ともいっている。いわゆる二枚舌だ。
そこで、本コラムでは、今年の国債金利がどうなるのかを中心として、2016年、経済や金融・資本市場で起こることを占ってみよう。
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