県動物愛護指導センターは今月から、犬猫の殺処分方法を従来の二酸化炭素装置(ガス室)から麻酔薬方式に変更した。ガス室は国で安楽死と認められた方式で一度に大量の処分が可能だが、動物愛護団体などから「安楽死でない」といった批判もあった。同センターは殺処分数が減少したことや、全国的に麻酔薬方式に移行していることなどを踏まえて変更した。

 同センターによると、ガス室による殺処分は一度に多数の処理ができるため効率的で、大量に処分する場合は1頭当たりの費用が安く済むメリットがあった。

 一方、麻酔薬方式は主に注射で行われ、苦しまずに死に至るとされている。しかし一度に多数の殺処分を行う場合は、ガス室より高額になるデメリットがあった。

 県内の犬猫の殺処分は日光市小林の県ドッグセンターで実施している。1989年の殺処分数は1万5794頭だったが年々減少し、2014年は1040頭と15分の1以下になった。

 また同センターは、収容犬の返還と譲渡機会の拡大のため、抑留とホームページ(HP)掲載期間を従来の4日間から9日間に延長した。同センターは「殺処分ゼロの実現に向け、動物の愛護と管理の一層の推進を図る」としている。