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テレビがネットに勝利宣言

面白い記事を見つけた。最近ニューヨーク・タイムズに出たこんな記事である。題して『息切れするネットメディア、真の勝者は結局テレビだった』(文/マイケル・ウルフ)。

世界最大のメディア王ルパート・マードックの息子ジェームスは語る。「テレビはインターネットをすでに植民地化しつつある」「ネットフリックスは、自らをテレビの破壊者と喧伝している。しかし実際のところ、ライセンスやプログラミング料としてハリウッドやテレビ業界に年間約20億ドルを支払っている」。

MTV・パラマウント映画を擁する巨大・メディア帝国・バイアコムの84歳の社主サマー・レッドストーンはYouTubeを擁するGoogleに対し巨額訴訟を仕掛け無料コンテンツYouTubeを実質骨抜きメディアにした。

20世紀FOXや英紙Timesを保有する米メディア王・ルパート・マードックは息子・ジャックの薦めで映画会社ワーナーブラザーズやCNNを擁する巨大複合コングロマリット「タイム・ワーナー」入札に参加している。

これまで歴史上、人々がテレビコンテンツを(ネットやタブレットを通したとしても)こんなに見ている時代はないという。(以上の全文は「現代ビジネス」で読める。)

筆者も中国や欧州やオーストラリアで「テレビがいまだに王者」であるのを現地で目撃し、日本での一部ネットによるテレビバッシングや「テレビオワタ」等と言う活字メディアをも巻き込むネット言論に違和感を感じていた。それは、テレビという巨大メディアを引きずり下ろすというある種、貧弱な快楽を得るための稚拙なゲームに過ぎなかったのであろうか。

私は個人的には芸能スキャンダルというものが好きではないのだが「ベッキー不倫問題」も「SMAP独立問題」も複雑な利権が絡み合う芸能界特有の現象で、テレビ・一部活字メディアも制限した表現に限られたので、ネットでは大変な盛り上がりになった。ほとんどこの手の「炎上」「盛り上がり」はネット民が結局「テレビ発のスター・芸能界」についてのデマを含むあくまで火事場の野次馬的な想像に終始して騒いでいるのを感じることがあった。

「テレビオワタ」と言っているのと同じ連中がネット上でテレビ・スターの事で盛り上がっていると言う不思議な現象がこの日本で起きているのだ。

これを見ていると社内に日本最大のコンテンツ制作機能とインフラを持つ日本のテレビ局は、その影響力と国民への到達力・浸透力を鑑みれば経営効率化の為に絶対に自社制作能力を外部プロダクション化などにはしてはならず、コンテンツ制作機能をさらにシステマティックに徹底的に強化すれば、生き残れるどころか、伝送路がどうなろうとも、コンテンツ放送・製造・世界販売の世界において長期間、王者でいられるという信憑性のある仮説が成り立つ事になる。

今、徐々にセットインユースが下がり、若者のテレビ離れが起こっているという言葉で弱気になっているテレビ業界をネット企業にいながら横目で眺つつ、「ネットがテレビを抜く」という掴みどころのない言説に怯えているテレビ関係者に「やりかたをソフィスティケイト・高度化すればハリウッド並みの寿命と日本におけるメディア企業としてのパワーをさらに強化できるのではないか。」と思う。

・・・もちろん
「他のメディア・テクノロジーに対して健全な危機感を持つ事」
「ある意味、政治力が必要なこと」
「テレビ業界を牽引する強力な知恵者・リーダーの存在を持つ事。」
「コンテンツ制作力強化と実験。創意の為の失敗を許す構造。つまりテレビをもっともっと革新的にする努力をすること。」
「過度なコンプライアンス等で萎縮しない表現力の幅の保持の方法を局が牽引すること」
「優秀なクリエーターを育成して整備士、社員・スタッフに仕事のテレビ制作の歓びを感じさせ、働く人を最重要に考える環境整備」
等が前提となるのは言うまでもない。

アメリカテレビ界・ハリウッドのテレビ制作者は歴史的にそういう血のにじむ懸命な努力をしてきた。ある意味、未来は茨の道だが日本でもメディアの世界でまだテレビが最前列を走っているのは間違いないと思う。結局、近い将来メディア間の最終的な血みどろの戦いになったとき「優良コンテンツホールダーが勝つ」等と思うのだが、いかがだろう。

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