この両社だけではない。鉄鋼、造船、海運、建設、エンジニアリング、石油化学など韓国経済を牽引してきた「重厚長大型」「輸出依存型」の大企業の収益が軒並み悪化しているが、この傾向は2016年も続きそうなのだ。
また、SKハイニックスやサムスン電子といった半導体、IT企業の先行きも楽観できない。半導体市況は2016年も引き続き期待ができない。スマートフォン事業も中国企業などの急速な台頭で競争激化は避けられない。
韓国は、大手財閥など一部大企業への経済依存度が高い。
中でも、ポスコ、現代自動車、SKハイニックス、サムスン電子などは、「不動の看板企業」として産業界全体を支えてきた。
ところが、こうした企業は一方で外需依存度が高いという共通点もある。特にここ数年は、中国への依存度を高めて成長してきた。
2016年1月26日、韓国銀行(中央銀行)は2015年の実質国内総生産(GDP、速報値)が前年に比べて2.6%増だったと発表した。
2年ぶりに成長率が2%台にとどまった。輸出の伸び悩みが響いた形だ。内需に力強さが見えないだけに、「看板企業」の先行きは、韓国経済全体にも影響を与えることは間違いない。
「元気な韓国企業」の姿はなかなか見えてこない。