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【教科書謝礼問題】閲覧教員、全都道府県に 文科相、影響調査を要請

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【教科書謝礼問題】
閲覧教員、全都道府県に 文科相、影響調査を要請

 教科書会社が検定中の教科書を教員らに見せて意見を聞き、謝礼を渡していた問題で、閲覧した教員ら延べ5147人は、全47都道府県にわたっていたことが28日、文部科学省への取材で分かった。文科省は同日、各都道府県教委に対し、3月中旬までに教科書採択への影響の有無などを調査して報告するよう要請した。

 文科省がまとめた資料によると、業界最大手の東京書籍が47都道府県の延べ2269人に見せて、そのうち2245人に謝礼を支払っていた。大手の教育出版も20以上の都道府県の延べ1094人に閲覧させ、謝礼を提供していた。

 都道府県別で閲覧者が最も多かったのは、北海道の516人。東京書籍のほか、教育出版、光村図書など5社が関与していた。その他では、大阪府の471人、東京都の434人などが続いた。また、数研出版が歳暮と中元を贈った教育長と教育委員計10人は大阪府や奈良県など6府県にまたがっていた。

 文科省は22日に、小中学校の教科書を発行する22社のうち12社が平成21年度の検定以降、検定中の教科書を教員ら延べ5147人に見せ、うち10社が延べ3996人に謝礼として3千円から5万円の現金などを渡していたことを公表した。

 検定中の教科書は外部からの干渉を防ぐため、部外者の閲覧が禁じられている。三省堂の教科書の閲覧をめぐり、教員らが地元の教委から相次いで処分されている。

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