来日し記者会見、日韓合意に反対訴え
元慰安婦の韓国人女性2人が26日、東京の衆院議員会館で記者会見し、慰安婦問題を巡る日韓両政府の合意について「被害者の意思も聞かずに妥結した」と批判し、改めて合意への反対を訴えた。
2人は、ソウル近郊の施設「ナヌムの家」で暮らす李玉善(イ・オクソン)さん(88)と姜日出(カン・イルチュル)さん(87)。昨年末の合意以降、元慰安婦が来日するのは初めて。
李さんは「一体被害者はどこにいたのか。正しい合意かどうか皆さん自身で考えてほしい」と語った。姜さんも「きちんとした謝罪を抜きにして合意は成り立たない」と不満を述べた。
また、2人は安倍晋三首相が国民を代表して元慰安婦と面会し、直接謝罪してほしいと訴えた。
昨年12月の日韓合意を巡っては、一部の元慰安婦らが強く反発。李さんらは会見で、韓国政府が設立した財団に日本政府が拠出する10億円の資金は「法的賠償とは受け止められない」とした。ソウルの日本大使館前に設置された慰安婦を象徴する少女像の撤去についても「許されない」と反対する意向を示した。
同席した「ナヌムの家」の安信権(アン・シンクォン)所長は、合意が慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」とされたことを「加害者中心の用語であり、問題を早く終わらせたいという思いが込められている」と批判した。【小泉大士】