公演中にスマホもツイートもOKなオーケストラホールが続々誕生中
ウソのような本当の話なんです~!
いつもスマートフォンから離れられない毎日を送る現代人ですけど、すっきり電源をオフにして、気を散らされないようにすべき場所ってありますよね。映画館やコンサートホールのなかで、上演中に隣りの人の携帯電話が鳴ったり、明るい画面でメールやネットを始め出したりすれば、あのぅ、ここはケータイをオフにしなければいけないはずなんですけど?
思わず注意してヤメさせたくなるのが普通でしょう。ところが、そんな常識が逆に打ち破られる時代になってきたようです。少なくともアメリカではね。
若い世代を惹きつける努力の一環で、ボストン交響楽団(Boston Symphony Orchestra)は、各公演に合わせて特別に用意されたコンテンツが入ったiPadを、一部の客席で限定的に貸し出すことになった。この特別席では、演奏中の曲の楽譜、音楽家へのインタビュー動画、作曲家や作品についてのポッドキャストなどを見ることができる。また、ホール内に設置されたモニターを見上げれば、指揮者をみつめる奏者の視点での拡大ビューを眺められるようにもなっている。
米国マサチューセッツ州の歴史あるボストン交響楽団も、最近は観客離れに悩んでいるのでしょうか? よりインタラクティブな音楽鑑賞を若い世代に……。その思いはわからないでもないですけど、それにしても、公演中は雑音にしかなりそうにないポッドキャストや動画まで自由に再生可能なiPadを、公然と客席で使えるようにするだなんて! でも、まだこれくらいで驚いていてはいけません。
Sacramento Philharmonic and OperaやVirginia Symphony Orchestraは、公演中にコンサートの公式Twitterアカウントと絡みながら、進行する公演をめぐる批評コメントで盛り上がり、実況を続けることが推奨される「ツイート席」の提供を開始した。
なんとかスマホ世代の若者をオーケストラの公演へ呼び戻そうと、各交響楽団が仕かける最近の必死の試みが、こんなふうにまで伝えられていますね。クラシックの生演奏のコンサートなんて、もっともスマートフォンから目を離し、心を落ち着けて聴きたいものだと思うのですが、そう思っている時点で、すでに自分は若くないのでしょうか?
もはや由緒あるオーケストラの演奏中でさえ、切っても切り離せない存在になってきたデジタルコミュニケーションデバイス。日本にまで、こんな計らいが広がることはあるのでしょうか? 残念な方向性に進んでいるように感じないでもないですけど、これも時代の流れなのかもしれませんよね。
Matt Novak - Gizmodo US[原文]
(湯木進悟)