松川事件世界記憶遺産登録へ 推進する会発足
戦後最大の冤罪(えんざい)事件とされる松川事件の関係資料の世界記憶遺産登録に向け、「松川資料ユネスコ世界記憶遺産登録を推進する会」が発足した。25日、東京都の衆院第二議員会館で設立総会が開かれ、関係者が事件の価値を世界に広める決意を新たにした。
同会は11人の共同代表世話人をはじめ、福島大の歴代学長、弁護士、映画監督の山田洋次氏、周防正行氏ら呼び掛け人約270人体制で発足した。今後は呼び掛け人の拡大、学習会などの広報活動、資料を保管する福島大松川資料室の充実、県、福島市などへの協力要請などを行う。
広報活動の第1弾として2月27日、富岡製糸場などの世界遺産登録に携わった玉川寛治さん(元産業考古学会長)による学習会を福島市で開く。
登録は2年に1度で、同会は平成29年3月から6月ごろに登録申請する予定だ。
25日の総会後、松川事件で被告の弁護人を務めた石川元也氏(84)や事件を語り継ぐ県松川運動記念会理事長の安田純治弁護士(84)ら共同代表世話人が記者会見した。石川氏は「戦後の民衆運動が全国に広がり、司法を動かしたのは国際的にも例がない」と世界記憶遺産登録の意議を語った。
学習会に関する問い合わせは松川運動記念会 電話024(523)4183へ。
※松川事件 昭和24年8月、福島市松川町の東北線金谷川-松川駅間で上り列車が脱線・転覆し、機関士ら3人が死亡した列車往来妨害事件。当時の国鉄と労働組合員ら計20人が逮捕されたが、昭和38年9月に最高裁で全員の無罪が確定した。
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