防衛装備庁は28日、相手のレーダーに探知されにくい「ステルス」性能を持つ戦闘機の開発に向けた先進技術実証機「X―2」を公開した。2月15日か22日の週に初飛行する。3月末に設計・製造した三菱重工業が同庁に引き渡し、約200時間の飛行試験を繰り返す。2018年度までに国産化か技術を活用した国際共同開発かを判断する。
実証機は28年度ごろに退役するF2戦闘機の後継機を視野に開発する。防衛装備庁はステルス能力や飛行性能、操縦系統などのデータを取得して技術を検証する。X―2は敵機のレーダーを吸収して反射を減らす材料を採用したり、レーダーが当たりにくい胴体形状にするなど高いステルス性能を発揮できるのが特徴。エンジンの噴射角度を自在に曲げて、機体の運動性能も大幅に高めている。
エンジンはIHIが担当。燃焼温度を高めて大きな推力を引き出すため、部品には耐熱性が高く軽量の特殊セラミックや合金など最新の複合材料を採用した。設計・製造の取りまとめは三菱重工だが、富士重工業や川崎重工業など約220社が参画している。開発費は約400億円。
記者会見した同庁の吉田孝弘事業管理官は「(米ステルス機)F35はそれほど機動性は高くないが、ステルスでありながら機動性が高いのがX―2」と説明。共同開発になった場合の具体的な相手国について明言を避けたが「情報収集や意見交換をしている」と述べた。
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